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iPS細胞ストック

2015/3/27更新


Q1 HLAとは何かを教えて下さい。
A1

HLAとはヒト白血球型抗原のことで、患者・ドナー間のHLA適合性は骨髄移植や臓器移植の重要な予後因子のひとつです。HLA不適合移植では、移植後の移植片対宿主反応や拒絶反応が問題となります。特に拒絶反応防止の観点から、iPS細胞由来の組織細胞を移植するにはHLAホモ接合体ドナー(父と母から同じHLAを受けついだドナーで、国民の約2〜4%)からiPS細胞を作製することが理想的です。70%以上の国民への移植をカバーするには50種類以上、90%以上の国民への移植をカバーするには150種類以上のHLAホモタイプを確保する必要があると想定されますので、公募などを通じて多くの方々にドナー登録へのご理解とご協力をいただければと考えています。安全で高品質なiPS細胞の作製に向けたルール作りが進行中ですが、5-10年を目処にルールに沿ったバンク化を目指します。

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Q2 iPS細胞ストックを分かりやすく説明して下さい。
A2

再生医療用iPS細胞ストックとは、健康なHLA(Human Leukocyte Antigen : ヒト白血球型抗原)ホモ接合体のボランティアの方に細胞を提供していただき、iPS細胞研究所でiPS細胞を作製し、保存するプロジェクトです。予め品質の保証されたiPS細胞を保存し、必要に応じて国内外の医療機関や研究機関に迅速に提供可能にすることを目的としています。詳細は、京都大学iPS細胞研究所のHPをご参照ください。

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Q3 HLA型はどのようにして調べるのですか?ドナー選択の際には感染症や遺伝的疾患などのリスク管理はなされているのでしょうか?倫理面や個人情報保護に配慮が払われているのでしょうか?
A3

iPS細胞ストック計画では、HLA型の検査は口腔粘膜または血液を用いて確認します。研究へのご参加について同意を頂けたドナーの方へ、問診による感染症や遺伝的疾患の有無を確認し、血液検査による感染症の有無を確認しています。検査は一部、外部の検査会社へお願いすることがありますが、その場合はドナーの方の氏名に代わる番号(匿名化番号)を使用して検査を依頼しますので、ドナーの方が誰であるか特定されることはありません。

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Q4 ドナーに協力したいのですが、その登録方法を教えて下さい。既往歴や年齢制限等があるのでしょうか?
A4

お申し出はありがたいのですが、残念ながら、iPS細胞ストックの構築に関する研究は、一般公募をしておりません。現在は京大病院医学部附属病院にて過去にHLA検査を実施された方、日本赤十字社の京都・大阪の献血ルームで成分献血をされた方、日本骨髄バンクにドナー登録し骨髄等を提供された方の中から、HLA型をホモ接合型で有する方に限って、各機関から研究の参加に関してお声がけさせていただいております。

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Q5 iPS細胞ストックの品質管理はどのように進められるのでしょうか?ストックは何時頃から機能するのでしょうか?
A5

京都大学iPS細胞研究所ではiPS細胞を作製するための血液を施設・FiT(細胞調製施設)へ持ち込む際から、製造工程を管理し、iPS細胞がウイルスや細菌等に汚染されないよう配慮しています。できたiPS細胞は、品質を評価するため、移植する目的の細胞へ分化できるか、細胞移植後にその細胞のガン化につながる様な遺伝子変異がないか、細菌・ウイルスに感染していないかなどを確認します。品質に問題ないとされたiPS細胞は、厳格な温度・空調管理のされた清潔な部屋に置かれる貯蔵庫の中で長期に保管されます。長期保管中にもiPS細胞の品質に変化がないかを確認することを予定しています。
現在、iPS細胞ストックを構築中ですが、既に何名かのドナーの方からいただいた血液を用いて、FiTでiPS細胞を作製しています。2017年度末までに日本人の30〜50%の方をカバーできるようなiPS細胞のストック構築を目指しています。

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Q6 iPS細胞ストックで保存される細胞は、どのくらいの期間正常に保存することが可能なのでしょうか?途中で変異したり、死滅したりすることはないのでしょうか?また、継代培養で性質が変わることなく永久に増やし続けられるのでしょうか?
A6

長期保管については、ヒトiPS細胞ができたのが2007年で、比較的年数が新しいため何年間なら大丈夫といったデータがないのが事実です。いったん液体窒素に保存されれば、10年以上の長期にわたって安定した保管が可能と考えられますが、それを実証するために定期的に一部の細胞を解凍して凍結時との同等性を調べる必要があります。長期の継代による細胞の性質の変化を防ぐために、樹立後は最適な継代数でできだけ多くの細胞を一度に(ストックとして)保存します。

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Q7 海外の人と日本人でHLAに違いはあるのでしょうか?
A7

HLA型は人種や地域による集団差があります。特に日本は島国であるため、日本国内に多く見られるHLA型と隣国の韓国や中国、欧米諸国で多く見られるHLA型とでは異なります。この点を活用し、細胞移植治療において患者さんのHLA型が日本国内で希少であった場合でも、他国で頻度が高いHLA型などがあれば、お互いにそれらのドナー由来のiPS細胞を提供し合うことで補完することが期待できます。

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