SICPの概要

事業の目的と背景

グローバル化が急速に進展する世界では、国境を越えた様々な問題が発生しています。例えば、環境・エネルギー、自然災害、感染症などの問題は、一ヵ国だけで対応できるものではなく、国際的な取り組みが求められます。多様な問題に対処し発展を維持していくためには、国際的な協調が求められています。

また、世界的な科学技術の発展は目覚しく、切磋琢磨しあう競争の中、日本が世界レベルの科学技術力を維持・発展させていくためには、これまで以上に国が戦略的に科学技術の国際展開を支援していくことが重要となっています。

第4期科学技術基本計画も、世界と一体化した国際活動の戦略的展開を謳っています。こうした協調と競争を含む国際的な展開は、科学技術の分野において非常に重要です。

このような政策的要請にこたえるため、国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)は、平成15年度から小規模な国際研究交流を支援するための戦略的国際科学技術協力推進事業を実施しています。本事業は、政府間協定や大臣会合での合意等に基づき文部科学省が設定した協力国・地域・分野の国際研究交流プロジェクトを支援する「トップダウン型」の事業です。

JSTは両事業により、欧米、アジア、大洋州、中東、アフリカの諸国との協力を支援しています。我が国と各国の研究者との活発な研究協力の推進を通じて、科学技術のさらなる発展に貢献しています。

事業の概要

本事業では、以下のような支援を実施しています。

1. 研究交流プロジェクトの支援(公募)

  • 1プロジェクト当たり500~1,000万円/ 年程度を原則とし、3年間(協力対象国との調整により支援額や支援期間は柔軟に対応しています)に渡り支援します。
  • プロジェクト支援の中には、[1]プロジェクト研究者による研究集会、[2]共同研究支援、[3]研究者の派遣・招聘、等の費用を含みます。

2. 国際研究交流を促進するための研究集会の開催(JST主催)

  • 日本と協力対象国の研究者による講演が中心です。
  • 参加する研究者同士の交流を図ることを主な目的とします。

3. その他

  • 必要に応じてトレーニングコース等の開催支援をします。

上記を協力対象国・分野のニーズに応じて、有機的に組み合わせて事業を実施します。 JST が日本側研究者を支援し、協力対象国のファンディングエージェンシーが協力対象国側研究者を支援することを基本としています。

事業の仕組み

図:事業の仕組み


※1 高ポテンシャル
協力国における協力分野の研究レベルが世界的に高い水準にあり、交流を推進することで、革新的な科学技術の芽の創出に資することが想定される国・分野であるか。
※2 先行投資
協力国における協力分野の研究水準が将来的に世界をリードするまでに達することが予想され、長期的な視点に立つと、協力国との交流の推進が、日本の科学技術の将来の発展に資すると想定されるか。
※3 日本のプレゼンス拡大
協力国との交流を推進することが協力分野での日本の世界・アジアにおける優位性の維持・確立に資すると想定されるか。