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別紙

国際科学技術協力基盤整備事業
「日台研究交流」平成27年度新規課題 一覧

課題名 日本側
研究代表者
所属・役職 課題概要
台湾側
研究代表者
IoTデバイスのための新しい軽量暗号システムに関する研究と台湾のeHealth環境への応用

宮地 充子

大阪大学
大学院工学研究科
教授

本研究は、爆発的な普及が見込まれるIoT機器における安全、安心なデータの利活用を実用可能とする軽量IoTデバイス向けの軽量暗号技術を開発し、それを駆使してより安全と安心なIoTシステムを構築することを目的とする。

具体的には、日本側はIoT向けの軽量暗号技術として、実装効率を高める最適化技術、各種攻撃に対して耐性をもつ暗号基盤技術の研究を行う。一方、台湾側はIoT機器でも特にeHealthにターゲットをあてて、IoTデバイスの制御、インターフェースとIoTデータ処理とそれらの概念実証(Proof−of−Concepts)などを担当する。

日台の研究チームが相互補完的に取り組むことで、IoT機器における安全、安心なデータの利活用を支えるセキュリティの一連の基盤技術を確立させ、台湾チームは医療分野における実証をめざし、日本チームは医療だけではなく、IoT環境における様々のアプリケーションのセキュリティとプライバシー保護技術の確立を目指す。これにより、IoT機器の安全・安心な利活用に多大なる貢献となることが期待される。

許 建隆

長庚大学
資訊管理学系
教授

不均一なIoTデバイスに対するデータ整合性とプライバシーを保つ高信頼な不正取得耐性機構

横田 治夫

東京工業大学
大学院情報理工学研究科
教授

本研究は、クラウドと不均一のIoTデバイスからなるIoTシステムをディペンダブルでセキュアにするために、IoTデバイスの制限された記憶容量、計算・通信能力等の下での暗号化を行い、プライバシーを保ちながら故障・不正取得されたIoTデバイスを検出し、それらからクラウドに送られる情報を補正する基礎技術の確立を目的とする。

具体的には日本側は暗号を用いたストレージや情報共有手法を発展させ時間的・空間的整合性に基づく故障や不正取得の検出手法を、台湾側はネットワークやモバイル コンピューティングでの実績に基づくコンパクトな暗号方式を担当する。

日台の研究チームが相互補完的に取り組むことで、IoTデバイスでの暗号とその活用手法についてのそれぞれの強みを活かした先進的成果が期待される。

郭 斯彦

国立台湾大学
電機工程学系
特別教授

モバイルヘルスケアにおけるプライバシー保護ビッグデータマイニングを実現するセキュアIoT情報基盤

菊池 浩明

明治大学
総合数理学部
専任教授

本研究は、IoT向きの軽量認証スキーム、証明書なし暗号スキーム、情報を秘匿したままでのデータ解析や学習をするプライバシー保護データマイニングを実現する、モバイルヘルスケア情報のIoT情報基盤を構築することを目的とする。

具体的には日本側はIoTを用いたプライバシー保護データマイニング、台湾側はIoT向き軽量な認証技術、公開鍵証明書を用いないIDベース暗号、クラウドでの内部不正を防止して高度なアクセス制御を実現する述語暗号を担当し、セキュアIoT情報基盤の研究を行う。

日台の研究チームが相互補完的に取り組むことで、IoTデバイスに最適な認証技術、暗号技術とそれらを活用したプライバシー保護データマイニングの実現という相乗効果が期待される。

范 俊逸

国立中山大学
資訊工程学系
教授