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加速器検討ワークショップのご案内
ImPACTプログラム「核変換による高レベル放射性廃棄物の大幅な低減・資源化」
加速器検討ワークショップのご案内

ご挨拶

原子力発電所から発生する使用済み燃料を再処理した際に発生する高レベル放射性廃棄物の問題は原発賛成・反対に拘らず避けて通れない問題です。ImPACTプログラム“核変換による高レベル放射性廃棄物の大幅な低減・資源化“では、この問題への新しい選択肢を提示することを目指しています。 高レベル放射性廃棄物を経済性のあるプロセスにより中低レベル放射性廃棄物に変えることで低減し、その中に含まれる有用な金属をリサイクルして資源として再利用することにより、海外市場に左右されない供給源を確保することで産業や社会の変革を目指すものです。 その加速器概念を広く加速器の専門の方々と討議するため、本ワークショップを開催します。

ImPACT プログラム・マネージャー 藤田玲子

趣旨

ImPACT プログラム“核変換による高レベル放射性廃棄物の大幅な低減・資源化”では、高レベル廃棄物から長半減期核種(LLFP)を分離・回収し、核変換によって半減期の短い核種もしくは安定核種とすることにより他の放射性廃棄物に転換すること、もしくは、リサイクルすることにより有効活用・資源化することを目的とする”ハイリスクハイインパクトなチャレンジ”をしています。

チャレンジの内容

  • これまで高レベル放射性廃棄物として処分されていた長寿命核分裂生成物であるパラジウム(Pd)-107 やジルコニウム(Zr)-93、セレン(Se)-79、セシウム(Cs)-135 を短寿命核種もしくは安定核種に加速器を用いて核変換し、Pd とZr はリサイクルして再利用するプロセスを提示する。
  • 最適な核変換の経路(パス)を確認・提案するため、世界最先端施設による大強度ビーム+逆運動学法でデータを取得する。
  • 経済性のあるコンパクトな今までにない加速器仕様を提案するため、学会・メーカの叡智を結集する。
  • 最適な加速器を提案するため、構成する高性能機器(超伝導空洞、真空窓、液体ターゲットなど)を要素技術と並行して開発する。
  • 同位体分離法を用いないため、偶数核種と奇数核種を分離する偶奇分離法を最適化し、工学規模の処理装置を開発する。
  • 核変換により生成した再利用金属が一般に使用されても問題ないレベル(クリアランスレベル)を新たに定義し、ICRP およびIAEAにより認証を得る。
このために、放射性廃棄物を核変換・有用資源化する新システム概念構築のための革新的加速器システム概念検討を行っています。 LLFP 核変換用革新的加速器の目標概念
  • 重陽子
  • 大電流(1A 級)
  • 大口径ビーム
  • 40MeV/u-200MeV/u(仮)
この概念案について、その学理的成立性、新概念を実現するための方法、今後必要とされる課題とそれらの対応方法などを幅広く議論いただきたいと考え、ワークショップを行います。

ワークショップ次第

 日時:2018年1月23日(火)13:00-17:00
 場所:JST別館 9階 A1-3会議室 (アクセス:https://www.jst.go.jp/koutsu_map2.html
進行概要(予定):
開会 13:00
ImPACTプログラムと開催趣旨;
藤田玲子 ImPACT PM
13:00-13:10
LLFP核変換のための基礎データ取得結果紹介;
櫻井博儀様 理化学研究所 グループディレクター
13:10-13:25
LLFP核変換用革新的加速器の目標・概念紹介;
奥野広樹様 理化学研究所 副部長
13:25-14:00
招待講演
加速器の実用化 -展望と課題―;
熊谷教孝様 日本加速器学会長
14:00-14:30
(休憩)
パネル討論へのトピックス
(その1)林崎規託様 日本原子力学会 加速器・ビーム科学部会長
「原子力における加速器技術の開発・課題」
14:45-15:00
(その2)坂本慶司様 量子科学技術研究開発機構 核融合炉材料研究開発部長
「IFMIF原型加速器の現状(仮題)」
15:00-15:15
パネル討論
進行・まとめ;櫻井博儀様
パネリスト;熊谷教孝様、林崎規託様、坂本慶司様、上垣外修一様(理化学研究所 部長)、奥野広樹様
15:15-17:00
閉会 17:00

参加申し込み・お問い合わせ

参加ご希望の方は、1/19(金)までにご連絡頂けますと幸いです。 国立研究開発法人科学技術振興機構 革新的研究開発推進室
ImPACT藤田プログラム  橋本美香
TEL : 03-6380-8195 FAX : 03-6380-8263
E-mail : impact-fjt(at)jst.go.jp (※(at)を"@"に置き換えてください。)