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キックオフ・シンポジウム 2015 「セレンディピティの計画的創出」開催報告

Optics & Photonics Japan 2015
特別シンポジウム「先端光技術のベンチャー事業化」開催報告

2015年10月29日(木)、筑波大学東京キャンパス文京校舎(東京都文京区)におけるOptics & Photonics Japan 2015 (主催:一般社団法人日本光学会)にて、特別シンポジウム「先端光技術のベンチャー事業化」を開催しました。

  • 大阪大学大学院工学系研究科 教授・株式会社創晶 代表取締役 森 勇介氏
    大阪大学大学院工学系研究科 教授・株式会社創晶 代表取締役 森 勇介氏
  • 東京大学大学院工学系研究科 教授・先端フォトニクス株式会社 最高技術顧問 中野 義昭氏
    東京大学大学院工学系研究科 教授・
    先端フォトニクス株式会社 最高技術顧問 中野 義昭氏
  • 東北大学大学院医工学研究科 教授・導光技術合同会社 運営責任者 松浦 祐司氏
    東北大学大学院医工学研究科 教授・
    導光技術合同会社 運営責任者 松浦 祐司氏
  • サイバーレーザー株式会社 代表取締役社長 関田 仁志氏
    サイバーレーザー株式会社 代表取締役社長 関田 仁志氏
  • 静岡大学電子工学研究所 教授・株式会社ブルックマンテクノロジ 代表取締役会長 川人 祥二氏
    静岡大学電子工学研究所 教授・
    株式会社ブルックマンテクノロジ 代表取締役会長 川人 祥二氏
  • ImPACTプログラムマネージャー 合田 圭介
    ImPACTプログラムマネージャー 合田 圭介

本シンポジウムでは、大学や企業で研究開発された先端光技術をベンチャー事業化された5名の講師により、いかにベンチャー企業を起業し、運営し、発展させるかについて、極めて個性的、かつ多角的な紹介がなされ、その大きな可能性が示されました。当日の会場は、立ち見がでるほどの盛況となり、熱い思いがこもった講演に、約70人の視聴者が聞き入りました。

初めに、大阪大学大学院工学系研究科教授・株式会社創晶代表取締役 森勇介氏より「タンパク質結晶化技術の開発とその事業化」について紹介されました。現在その事業は、タンパク質の結晶化にとどまらず、トラウマ克服の心理治療にまで展開されており、学生のメンタルケアから、大学における企業化までを促進するというユニークな発想と活動内容には、視聴者も圧巻された様子でした。次に、東京大学大学院工学系研究科教授・先端フォトニクス株式会社最高技術顧問 中野義昭氏より「光インターコネクトデバイスの開発とその事業化」について紹介されました。同社では、外国人留学生OBが社長に就任しており、日本人学生にもその意気込みをもって研究のみならず社会活動に貢献して欲しいという思いが語られました。一方、中空光ファイバーの開発とその事業化に成功された、東北大学大学院医工学研究科教授・導光技術合同会社運営責任者 松浦祐司氏からは、学生に頼らなくとも一人でも起業ができるという事業形態について紹介されました。また、話が変わり、先端フェムト秒レーザーの開発で世界市場を狙う、サイバーレーザー株式会社代表取締役社長 関田仁志氏からは、市場を見据えたレーザー開発が重要であること、さらには大学と連携した研究開発による先端技術の追求も不可欠であることが示されました。最後に、静岡大学電子工学研究所教授・株式会社ブルックマンテクノロジ代表取締役会長 川人祥二氏より「新型CMOSイメージセンサーの開発とその事業化」について紹介があり、地方自治体との連携が企業化につながり、さらには企業化が研究の発展につながったお話を伺うことができました。

「ImPACTプログラム」では、革新的な科学技術イノベーションをもとにした新産業の創出を目指しており、ベンチャー事業化に特化した本シンポジウムを企画しました。上記の通り、五者五様の極めて多様な事業化事例を示す講演内容になり「同じ会社はない。」ということを痛感させられました。一方で、事業化と先端研究が相互に正の影響を与えている事例が多く、「ImPACTプログラム」においても早期にベンチャー企業を設立する事で、研究開発をさらに促進するべきだと感じました。今後も各方面から講師をお迎えして、日本における先端光技術のベンチャー事業化について、議論を発展させていきたいと考えています。

シンポジウム ポスター
シンポジウム ポスター

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