八木 隆行
イノベーティブな可視化技術による
新成長産業の創出
プログラム・マネージャー
八木 隆行 Takayuki Yagi
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1983年 東京工業大学大学院修士課程修了
1983年 キヤノン株式会社入社
2005年 同社・先端融合研究所 所長
2008年 同社・総合R&D本部 上席担当部長
2014年~ ImPACTプログラム・マネージャー
(キヤノン㈱よりJSTへ出向、エフォート100%)
【プロフィール】
キヤノン(株)にて、MEMS技術を立上げ、インクジェットプリンタや一眼レフカメラに技術搭載するなど実用化を多数経験。文科省「先端融合領域イノベーション創出拠点形成プログラム」の同社代表を務めるなど産学連携の豊富な経験を有する。


研究開発プログラムの概要

超高齢化社会が到来するなかで、罹患率や要介護者数が急増し、病気や介護への不安が広がっている。その一方で、健康で美しさを保ち、安心して働ける生活が求められている。また食の安全や製品の品質などへの不安が高まり、国民生活の安全・安心の実現も社会的な課題である。本プログラムで開発するリアルタイム三次元可視化技術により、血管をイメージングすることで病気の超早期発見や予防医療が可能となり、美容や健康管理に役立て、健康寿命の延伸に貢献できる。さらに、光の特徴を活かし物性変化を簡便にイメージングすることで、食品や製品・構造物の信頼性を高めると共に、日本製品の品質の向上による競争力の強化に寄与できる。

非連続イノベーション

  • 本研究開発プログラムの開発目標の一つに新たな画像診断技術の創出がある。主要疾患である動脈硬化、脳卒中、がん、関節疾患、アルツハイマー病などの発症と病勢は血管や循環状態に表出されるが、X線撮像法やMRI法などの現診断法は被曝や造影剤などの侵襲性がある。また、超音波法は検者依存があり再現性に劣り、血管や循環状態の評価を予防や早期診断への応用は進んでいない。
  • 光超音波イメージングは、非侵襲かつ非破壊で高解像度にイメージングできる高いポテンシャルを持つが、撮像(手掌の超音波画像)には数分を要し実用化には至っていない。臨床応用面からは、従来手法が太い血管のみを可視化し侵襲性や被曝がある為に、予防や早期診断への応用研究がなされておらず、血管画像と各病態との詳細な関係を得る臨床研究が必要である。
  • 一方の計測応用では、光超音波手法は材料表層の組成分析への応用に留まり、内部のき裂や劣化等のイメージングの研究は殆ど無い。光超音波手法により、 自動車、スポーツ・レジャー、風力エネルギー、航空宇宙分野の市場を牽引する繊維強化樹脂やセラミックスの劣化やき裂を高解像度イメージングできれば、素材産業だけでなく各種産業界への貢献は大きい。
  • イノベーションを起こすには、高速・高解像度の一桁アップを実現するリアルタイム3次元イメージング技術の開発と、医療・美容健康・非破壊検査の領域での有効性を検証する、双方のブレークスルーが不可欠である。新産業創出に向けては、産業基盤となるレーザや超音波センサの実用化技術を完成させる必要がある。

PMの挑戦と実現した場合のインパクト

最先端のレーザと超音波を融合する光超音波手法によるリアルタイム三次元可視化を開発し、非侵襲で血管と血液状態をイメージングし、病気の超早期発見や予防医療を実現、加えて美容や健康管理に役立て健康寿命の延伸に貢献する。さらに、工業材料中の劣化やき裂等をイメージングし、検査精度を一桁向上する事で、製品の品質向上に役立て、日本製品の競争力の強化に寄与する。

成功へのシナリオと達成目標

具体的達成目標の実現に向けた戦略・シナリオ


生体の血管網及び物体の物性を、表面より光超音波技術を用いてリアルタイムで三次元可視化する技術を完成し、可視化システムのプロトタイプを試作し、価値実証する。価値実証では、循環器疾患、癌、関節症の診断と治療効果評価の臨床価値と皮膚機能の評価法を示すと共に、疾患リスク予測モデルを提示する。計測応用では、品質検査、安全検査などへの応用開発が可能である事を提示する。
■共通基盤技術
  • 生体組織と物質の内部の可視化に向けて、様々な計測対象に最適化した可視化技術と、その対象の光吸収波長を網羅する超広帯域波長可変レーザを3年目に完成する。その後、可視化システムに搭載する高速波長掃引する小型波長可変レーザの開発を完了する。可視化技術では、生体と物質の技術を共通化し開発加速する。
  • 高解像度・リアルタイム検出に向けて、広帯域かつ多チャンネル化が可能な二次元超音波センサの検出方式を3年目上期に決定し、センサ技術を完成する。3年目にワイドフィールド可視化システム用の超音波センサ開発を完了、4年目にマイクロ可視化システム用の超音波センサ開発を完了する。
■リアルタイム三次元可視化システム
  • 高速信号処理および三次元画像化を実現する光超音波プラットフォームを3年目に完成し、広画角を解像度0.2mm以下で可視化するワイドフィールド可視化システムと、解像度20μm以下のマイクロ可視化システムを4年目に完成する。光拡散イメージングでは解像度20mm程度、これまでの光超音波イメージングでは解像度0.6mmで2分程の撮影時間を要している。三次元可視化技術で開発した技術を搭載し、リアルタイムで数mmから20μmまでの全対象サイズのイメージングが可能な三次元可視化システムを実現する。
■価値実証:医療・美容健康応用
  • 既存の光超音波システムを用い先行して臨床研究のフィジビリティスタディを実施し、3年目に臨床および美容健康評価のターゲットの絞り込みを完了する。4年目よりリアルタイム三次元可視化システムでの臨床研究を開始し、医療と美容健康応用の価値実証を行う。フィジビリティスタディの段階から疾患データ収集を開始し、3年目から健康情報と医療情報の統合化を行う。開発した生体解析アルゴリズムを用いて、疾患データから画像バイオマーカを抽出し、統合化されたデータから 疾患リスク予測のモデルを提案する。
■価値検証:計測応用
  • 1年目に技術・市場調査より産業領域と研究課題を設定する。3年目に物質計測技術を完成し、 4年目に非破壊三次元可視化システムの新規プロジェクトを立ち上げ、5年目に価値を実証する。

達成目標


①光超音波の基盤技術の開発が完了している。
  • 生体各種組織と物体物性の光吸収特性に対応する広帯域波長可変レーザのプロトタイプが完成
  • 高感度広帯域を実現する超音波センサのプロトタイプが完成
②基盤技術で開発した波長可変レーザと超音波センサが搭載された、光超音波技術を用いたリアルタイム三次元可視化システムが完成している。動静脈から毛細血管レベルの血管網の可視化ができている。
③医療・美容健康領域での実用化の見通しを得ている。
  • 臨床研究により、血管網と血液状態から、循環器疾患、癌、関節症などの診断と治療効果評価が可能なことが実証されている
  • 臨床研究により、皮下毛細血管を可視化し皮膚機能低下を評価する手法が示されている
  • 脳皮質の血管網と酸素飽和度の高分解能イメージングができる事が証明されている
④品質検査、安全・保全検査、非破壊検査等の計測産業への応用が示されている。

PMが作り込んだ研究開発プログラムの全体構成

PMのキャスティングによる実施体制


八木 隆行PMの実施体制の詳細は公式HPをご覧ください。    公式HPへのリンク

プログラム資料