プログラム紹介 産業や社会を変革するシナリオ

解決のアイデア:人工細胞リアクタ

世界トップの「マイクロデバイス技術」と「人工細胞技術」を融合し 「人工細胞デバイス技術」を創成します。

成功へのシナリオ

  • 人工細胞デバイスを利用した超高感度バイオ分析技術で臨床診断市場のゲームチェンジ
  • 超並列スクリーニングによりスーパー酵素を開発し、バイオマス処 理分野から創薬などで多角的に酵素新産業を創出する。
  • 人工細胞技術で21世紀のバイオ産業革命を引き起こす。

達成目標

はかる

疾病・感染の検出で用いられる種々のバイオ分析法(遺伝子検出反応や抗原抗体反応)を、フェムトリットル(10のマイナス15乗)と言う超微小体積の人工細胞リアクタで行います。微小体積によってバイオ分析反応の生成物質濃度が劇的に上昇するため、目的分子を1分子の感度で検出することが可能です。しかも、信号を0か1かで2値化して計測するため、測定誤差も低減できます。さらに高スループット化と同時に、クラウドと連携した手のひらサイズの廉価な汎用小型装置を開発し、遺伝子診断や臨床検査の現場に実装します。この3つの要件を満たした事例はこれまで実現できていないものです。

つくる

人工細胞リアクタの超並列性を生かし、異なる種類の遺伝子産物(≒酵素)を超微量(数分子)で閉じ込めた多数のリアクタを並べ、その中から大幅に機能が増強された最適な酵素分子のみを1回の作業で同定する革新的スクリーニング技術を開発します。これにより天然酵素を凌駕するスーパー酵素を生み出し、反応速度をさらに向上させます。これらのスーパー酵素は、「はかる」ステージの計測技術を確固たるものにします。

ふえる

試験管内のゲノム複製反応の再構成技術と人工細胞リアクタを組み合わせ、数時間のワンポッド反応でゲノムを合成したり、自己増幅(人工ゲノムで起動)が可能な人工細胞を創出します。海外でもゲノム人工合成や合成細胞の創出に成功していますが、まだ社会的なイノベーションまで至っていません。ゲノム合成にかかる費用と時間が莫大で、細胞も特殊なバクテリアに限定されているからです。これらの課題を最終的に解決していきます。