

人工細胞リアクタに、血液などの生体試料中の標的分子を1分子ごとに封入します。
この中で反応を行うと、1分子に由来する信号を検出することができます。
各リアクタからの信号を二値化(デジタル化)することで、標的分子の数を数えることができます。
これによって、従来より100-1000倍も感度の高いバイオアッセイが可能となり、
ガンや感染症といった疾病などの早期発見や対策が可能となります。

100万個の人工細胞リアクタが集積されたデバイスを用いると、
短時間で大量の酵素分子のスクリーニングが可能となります。
この方法により、天然酵素と比べて高活性、高耐熱性のスーパー酵素を作り出すことができます。
このスーパー酵素は、環境分野では水資源の再利用や二酸化炭素の削減で変革をもたらし、
また、食品や医療分野で希少な有用物質を安定供給することで
安全・安心な社会の実現に貢献するでしょう。

巨大DNAをもつ人工ゲノムの合成法と、
合成した人工ゲノムに大腸菌などの宿主を利用して自己増殖を開始させる技術の確立を目指します。
これにより、化学合成が難しい物質の生産や、PCBなどの難分解性物質の分解、ワクチンの開発など、
多くの分野で画期的な変革をもたらすでしょう。