ImPACT Program 量子人工脳を量子ネットワークでつなぐ高度知識社会基盤の実現

プログラム概要

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最後に、プロジェクトの体制をこのスライドにまとめました。
3つの出口である計算機科学、現代暗号、強相関電子物性の国内第一人者である河原林(NII)、松井(三菱電機)、永長(理研)にプロジェクトに参加していただきました。この3人を納得させられない量子技術には、社会へ出てゆく可能性はないと覚悟を決めて研究開発に取り組むことになります。
量子セキュアネットワークの研究開発では、佐々木(NICT)が全体を統括します。中村(NEC)と井上(東芝)が量子鍵配送の装置・システム開発に取り組み、中沢(東北大)と平野(学習院大)が光ホモダイン検波/デジタルコヒーレント伝送技術の導入による高性能化に取り組みます。現実的デバイスの不完全性による安全性への脅威の解析を、小芦(東大)、玉木(NTT)、富田(北大)が担当します。松本(東工大)は量子暗号の欠点(低速・短距離)を克服する手法の探索を行ないます。
量子人工脳の研究開発では、宇都宮(NII)が全体を統括します。合原(東大)は、脳型情報処理の概念を量子人工脳の原理と応用に展開する取り組みを行ないます。武居(NTT)、Fejer/Byer/Mabuchi(スタンフォード大)は、OPOネットワークの開発に取り組みます。太田(アルネア)はレーザネットワークの開発を担当します。井上(阪大)がNCOSを使ってFPGA開発に取り組みます。
量子シミュレーションの研究開発では、小川(阪大) 、青木(東大)西森(東工大)がターゲットとなるモデルハミルトニアンの提案と数値シミュレーション手法の開拓、Nori(理研)がその成果をインターネットを介してfree softwareとして配信する計画です。これが出口戦略の一つの形です。数値シミュレーション手法の有効性をチェックする実験装置の開発を、高橋(京大)、樽茶/中村/蔡/福原(理研)、Hӧfling(ウルツブルグ大)が担当します。
プロジェクト内から研究開発の方向性をチェックしていただくため、甘利(理研)、伊澤(千歳科学技術大)、上村(東京理科大)、川上(京大)の4名の先生方にプロジェクト顧問になっていただきました。また、プロジェクト外からは、日立、東芝、NEC、富士通、三菱電機、NTTの6企業の研究開発部門を統括される立場の方に、それぞれアドバイザーになっていただきました。研究テーマとアプローチに関して、産業界からのフィードバックをいただく予定です。
以上の体制で、これから4年間ImPACTプロジェクト研究を行っていくことになります。日本の量子情報技術に与えられた数少ないチャンスです。是非、皆様と一緒にこの機会をものにして、日本の存在感を世界に示したいと考えています。