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2005.3〜2010.3 膜機構プロジェクト Membrane Mechanisms Project
日本−インド
研究総括
楠見 明弘 楠見 明弘
京都大学再生医科学 研究所
/物質−細胞統合システム拠点教授
Satyajit Mayor   Satyajit Mayor
国立生命科学研究セ ンター教授

 相手国機関:国立生命科学研究センター

細胞膜は、細胞を取り囲み、細胞という生命の基本単位が作る空間を定義します。細胞膜は、外界との情報・エネルギー・物質のやりとりを担い、さらにそれらの制御コンピュータとして機能しています。一方、地球上のすべての細胞膜は、「2次元液体」という共通の構造を持っています。したがって、細胞膜が働く仕組み(機構)には、2次元液体の性質を利用し制御する一般的原理のあることが予想されます。このような基本的な機構を、「膜機構」と名付けました。「膜機構プロジェクト」では、細胞が進化の過程で獲得した細胞膜を働かせるための共通の基本戦略、「膜機構」の解明を進めることを目指しました。

本国際共同研究では、日本側の、生きている細胞内での1分子観察・追跡技術と、インド側の、ナノ秒分解蛍光共鳴エネルギー移動画像技術を統合して研究を進めました。その結果、「細胞膜の4つの基本的な物理的性質が、膜機構に本質的にかかわっている 」ことがわかってきました。(1)低次元性のため分子間相互作用が起こりやすい、特に、数ナノメートル大の特異的・動的タンパク質多量体ができやすい、(2)準安定な分子集合体であり、様々な寿命をもつ数ナノから数10ナノメートル大のミクロドメインが協同的に常に生成消滅している、(3)アクチン膜骨格とそれに結合した膜タンパク質からなる拡散障壁によって30-200nmのコンパートメントに仕切られている、(4)3次元空間内に「吸着したあとに、拡散運動できる2次元表面」という反応場を提供する、ということです。最初の3種のメゾ構造(3-300nm)は階層構造をなしています。

これら4つの基本性質の相乗作用で、細胞膜の働き、特に、シグナル変換が可能になっていることがわかってきました。受容体が会合して安定ラフトドメインの形成を誘導し、それがアクチン膜骨格上のシグナル分子と結合してシグナル伝達が起こるというような例です。 これらの成果は、生命の基本単位としての細胞がどのようにして働くのかという基本的な疑問に答えるだけでなく、新規薬剤の発見・開発や臨床診断法の開発など医療分野に対して今後、大いに貢献することが期待されます。
独立行政法人 科学技術振興機構 Japan Science and Technology Agency
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