事業で関わった高校生たちが、優秀な研究者に成長して成果を出す日を楽しみに、仕事に取り組んでいます。

理数学習推進部 能力伸長グループ
係員

斉藤明日香

2016年入職
法学部修了

PERSON JSTの人

01 高校生が大学で理数教育を受けるプログラムを担当

 私は法学部の出身ですが、もともと科学技術にも興味がありました。就職活動のとき、大学で開催された企業説明会でJSTを知り、科学技術によって多面的に社会に貢献する重要な存在であると思い、また文系出身者でも科学技術に関われることに魅力を感じてJSTに入職しました。
 入職後に配属されたのは理数学習推進部。この事業部では、次世代人材の育成、つまり、若い世代を対象に、科学技術に対する関心や能力を伸ばす理数系教育の推進などを通じて、将来科学技術分野で活躍する人材を育成する事業を行っています。
 具体的には、文部科学省が指定した高校の先進的な理数系教育を支援する「スーパーサイエンスハイスクール(SSH)」、各都道府県の選抜チームが理科、数学、情報の競技を行う「科学の甲子園」、高い意欲、能力のある小・中学生を発掘、育成する「ジュニアドクター育成塾」などの事業があります。
 その中で私が担当するのは、平成26年度から開始された「グローバルサイエンスキャンパス(GSC)」。その目的は、“将来、グローバルに活躍できる、優れた科学技術人材の育成”です。GSCは、理数分野に対して突出した才能と意欲のある高校生が全国から選抜され、土日や放課後、長期休暇を利用して大学に通い、講義や実験、研究など、大学が提供する高度な理数系教育を受けることのできるプログラムで、私たちJSTの職員は、その事務局として企画・運営に当たっています。

02 さまざまな背景を持つ人と仕事ができる喜び

 GSCの事業を進めるためには、まず全国の大学に企画を提案してもらい、それを複数の外部有識者で構成される推進委員会で審議し、採択の可否を決定します。採択された大学は、全国で高等学校段階の生徒を募集し、受講生として選抜します。大学への支援対象期間は4年間ですが、1年経過した時点で中間評価、終了の際に事後評価を行います。さらに、受講生が一堂に会して研究成果を発表する「全国受講生発表会」も開催しています。
 GSC事務局では各職員が担当の大学を持っていて、私も複数の大学を担当しています。各大学が考える企画にそれぞれ個性があるのも興味深いところです。委員の先生と一緒に担当する大学を訪問して、プログラムの進捗状況を確認したり、大学の担当者と意見交換をしたりすることもあります。
 JSTにはいろいろな背景を持つ職員がいますし、GSC推進委員にも、高校、大学、企業の方などさまざまな立場の人達がいます。そうした方々に出会い、一緒に仕事をするのはとても刺激になりますし、喜びになっています。

03 高校生の発表を見て仕事の意義を再認識

 次世代人材の教育は一朝一夕で成果が出ることではありません。しかもGSCのプログラムは平成26年に始まったばかりです。いまは高校生である受講生たちが将来どのような活躍を見せてくれるのか、この事業の成果が出るのは遙かに先です。短期的な成果の観点としては、科学技術系コンテストの入選、学会での論文発表などを判断材料のひとつにしています。
 事務局では主に大学とやりとりをするので、実際に高校生と接触する機会は少ないです。また事業の性質上、成果がすぐには見えにくいのが難しいところです。それでもこのプログラムに参加した受講生が10年後、20年後にどういう人材に成長するのかを想像するのは楽しいです。
 先日の全国受講生研究発表会では、受講生たちの発表内容のレベルの高さに感銘を受けました。あらためて自分が将来を担う人材の育成に携わっていることを実感し、この仕事をしていて良かったと感じました。今後もより多くの人たちにこのプログラムを知っていただき、才能ある高校生たちが、より能力を発揮できるように学びの環境を整えていきたいと思っています。

1日のスケジュール

8:45 出社。メールチェック。
事務局用のメール・個人のメールは常時確認
10:30 打ち合わせ用資料の確認・印刷
12:00 昼食
13:00 事務局内打ち合わせ
14:00 関係機関からの問い合わせに対応
16:00 関係機関から提出された書類の確認・翌日の会議資料作成
19:00 退社
※所属部署および掲載内容は取材当時のものです
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