日々、新しい科学技術の潮流に触れながら、組織全体の方向性を見定めています。

経営企画部 総括グループ 主査

駒田匡広

文学部行動文化学科修了
2010年入職

PERSON JSTの人

01 さまざまな学問と社会とのパイプ役になる魅力

 公益性の高い仕事ができること、さまざまな学問と社会とのパイプ役になれることに魅力を感じてJSTに入りました。大学で心理学を学び、リスク認知の研究をした経験から、人間が科学技術に対して、危険とか安全とか、どのように判断するのか、ひいては人間と科学との関係性そのものに関心があったことも志望動機の一つでした。JSTは科学と社会を橋渡しするコミュニケーション事業も手がけているからです。
 最初に配属されたのは理数学習推進部です。ここでは中高生を中心とした、次世代の科学技術人材の育成に携わりました。文部科学省が指定するSSH(スーパーサイエンスハイスクール)の推進や、中高生大学の指導を受けて普段の授業では経験できないような研究に取り組むプログラムなどに関わってきました。その後、現在の経営企画部に異動し、今は総括グループの一員として仕事をしています。

02 法人全体の目指すべき方向性を見定め、導く仕事

 経営企画部は、個別の事業を扱うのではなく、JSTという組織全体をとりまとめ、方向づける仕事をしています。経営陣の問題意識に最もよく触れている部門であり、JST全体をより良い組織にするために、役員とともに改革プランや制度を検討、推進するのも私たちの役割です。
組織全体の方向づけの具体的な形の一つとして、予算要求があります。予算はどの事業にどのように力を置くかで変わってくるからです。予算の確保には経営陣や各事業を担当する部署の考え方を反映しますが、当然、国が定める施策に沿うことも大切なので、その間にズレがあるときは文部科学省との調整も必要になります。
 予算面に限らず、あらゆる部門の窓口として機能するのもこの部署の特色です。例えば文部科学省から法人全体に及ぶデータを求められた場合、私たちが該当部門から提出された資料をとりまとめて回答しています。

03 民間でも、官庁でもない、独自組織ならでは強みを発揮

 経営企画部の業務は特に事業実施部門への影響力が大きいのが特徴です。仕事は効率的に、かつ事業実施部門に必要以上の負担をかけないようにと常に意識しています。そうした中で痛感するのは、大局観の重要性です。文部科学省との間で、交渉や調整を行うときにも、個々の事象や業務にとらわれずに、全体を俯瞰する視点を大切にすることを心がけています。
 近年、科学技術と社会の関係は大きく変化していることを感じます。注目されるキーワードは「共創」。世界が直面する課題を科学技術の力で解決し、よりよい未来社会を創っていくためには、特定のプレーヤーだけで研究開発を進めるのではなく、社会が求めていることも理解したうえで一緒に社会を創っていく「共創(Co-design / Co-creation)」が必要不可欠になってきています。
 そうしたことも含めて、JSTには最先端の科学技術に接しながら仕事をするおもしろさがあります。また、民間企業でも純粋な省庁でもないことで、中立的な立場や長期的な視点から、世の中にインパクトを与える科学技術とは何かを幅広い視点で考えることができる稀有な組織だと思います。

1日のスケジュール

9:30 出社。メールチェック。急ぎの対応案件などを処理
11:00 文科省を訪問し、担当者と打ち合わせ
12:00 昼食
13:00 役員との打ち合わせ
16:00 他部門からの問い合わせの電話が入り、回答。1日の大部分はデスクワークだが、このように、あらゆる部門から問い合わせや相談が入る
18:00 退社
※所属部署および掲載内容は取材当時のものです
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