トップメッセージ

科学技術によるイノベーションの創出を先導し、
日本と世界の未来に貢献していきます

今日、“新型コロナウイルス感染症の蔓延”、“従前の資本主義の行き詰まり”、そして“ロシアのウクライナへの侵攻”など多様な問題が次から次へと表れ、世界は歴史上の大きな転換点を迎えようとしています。このような中、科学技術の重要性はますます高まり、その発展が社会から強く求められています。特に近年の科学技術の特徴は、“基礎研究の進展とその成果の社会への展開”が極めて近接している点にあり、ここにも現在の科学技術の意義を見出せると言えるでしょう。

JSTは、1996年に前身の科学技術振興事業団が設立されて以来、科学技術基本計画および科学技術・イノベーション基本計画の中核を担う機関として、わが国の研究開発、それに科学技術・イノベーション基盤の強化を目的として運営されてきました。そして本年4月からは「新たな価値創造」に向けて、第5期中長期計画の実施期間に入りました。「知のフロンティアを開拓し価値創造の源泉となる研究力の強化」「国民の安全と安心を確保する持続可能で強靭な社会への変革」「一人一人の多様な幸せと課題への挑戦を実現する教育・人材育成」といった国家の基本計画に沿った取り組みをより一層推進してまいります。特に、カーボンニュートラル実現に向けた革新的な研究開発の推進や研究開発戦略の立案・強化は早急に対応しなければならない課題と考えています。

さらにJSTは、国の戦略に基づく新たな取り組みとして、10兆円規模の「大学ファンド」の運用を開始したところであり、「世界と伍する研究大学」の実現に向けて取り組みを進めてまいります。併せて、内閣府の「地域中核・特色ある研究大学総合振興パッケージ」に基づき、「地域の中核となる大学」および「特定分野の強みを持つ大学」の支援に向けた施策を強化します。また、経済安全保障の強化推進のため、先端的な重要技術の実用化に向けて強力な支援を行う新たなプロジェクトの創出を念頭にした取り組みも開始いたします。これら以外にも、若手研究者の支援といった人材育成にかかわる事業をなお一層強化してまいります。

最後に、前述のように基礎研究と社会実装が極めて近接してきた状況下で、JSTにはこれまで以上に挑戦的な取り組みが必要であると認識しています。“競争的資金の全体設計”、“科学技術政策のためのシンクタンク機能強化”、そして“職員・組織の意識向上”などを図るべく、理事長としてたゆまぬ改革とマネジメント強化を進めていく所存です。

皆さまのご支援とご協力を何卒よろしくお願い申し上げます。

令和4年4月
国立研究開発法人科学技術振興機構
理事長

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