組織の特色

広範で長期的な視野を持ち、
研究開発をプロデュース

 国は、社会全体の発展のために長期的な展望に基づいて科学技術政策を立案します。しかしこれを現実の形にすることは、大学や研究機関だけでは困難です。広い視野を持ち、資金、時間、人材、リスクのバランスや社会に対するインパクトを考え、多種多様な分野の研究開発を網羅的に推進し、そこから生まれた新しい価値を幅広く社会に展開していくことが必要になるからです。
 JSTはそうした役割を担う国の組織です。実際に研究開発に携わる研究者や研究機関、企業を「プレーヤー」だとすれば、JSTはその研究チームを人材や資金、リスク、時間などの面から包括的にマネジメントする「プロデューサー」のような役割を果たすと言えるでしょう。また、日本屈指のノウハウとネットワークを生かした複数の研究者・研究機関の連携や分野を超えた人材、知見のマッチングなどを通して、新たな社会的価値を生み出していく「拠点」としての機能も必要不可欠になってきています。
 JSTは、社会に役立つ成果にたどり着くまでに長い時間とコストがかかる基礎研究の推進をはじめ、研究から生まれた成果を社会実装につなげるための産学連携、研究成果を特許などの知的財産として保護・管理する事業、研究開発を効率的に進めるための情報インフラ事業、次世代の優秀な研究者を育てる人材育成事業など、基礎研究から応用研究、社会実装へと一体的に進めていくことを目的とした多様な事業を担っています。
 公的な研究機関としての世界的な評価は高く、通信社ロイターが科学と技術の発展に貢献した世界の国立研究機関を選出する「TOP25 グローバル・イノベーター:国立研究機関」に、2年連続で選出(2016年世界第3位、2017年世界第4位)されました。
 国際的な観点では、海外機関との共同研究の実施や行政、大学、研究開発機関、NGOや企業など多様なステークホルダーとの連携を通して、2015年に国連で採択された「持続可能な開発目標(SDGs)」のような地球規模課題にも積極的に取り組んでいます。社会が抱えている深刻な課題を科学技術の力で達成していくために、JSTが持つ多岐に渡る機能を生かしながら、日本におけるSDGsの活動への貢献、途上国をはじめとした国際社会への貢献を目指しています。

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