皆様からいただいたご意見と回答

件名 : 韓国サムスンとの薄膜トランジスター特許ライセンス契約について

ご意見 平成23年7月20日に行いましたプレス発表「高性能の薄膜トランジスターに関する特許のライセンス契約をサムスン電子と締結−日本の基礎研究の成果が世界のディスプレイ業界へ大きく展開−」(http://www.jst.go.jp/pr/announce/20110720-2/index.html)について、多くの方々から投稿や質問が寄せられているとともに、インターネット上や各紙において誤解が生じてしまう記載が見受けられましたので、下記の点について回答させていただきます。
1)この開発にかかった研究費は国民の税金から出ているはずだが、その特許をなぜ日本企業のライバルである他国の企業に売ってしまったのか?
2)特許収入がJST、東京工業大学及び細野先生に分配される理由を教えていただきたい。
回答 1)JSTでは、政府の知的財産戦略本部が掲げる「知的財産の創造・保護・活用」に努めております。
JSTの研究プロジェクトの成果として創出された細野教授らの発明について、JSTは世界の主要各国においていち早く特許出願をし、権利の確保を進めてきました。
細野教授の研究成果の発表以来、国内外の多くの企業が同研究成果に着目し実用化に力を注いできましたが、その中でもディスプレイ分野で世界のトップシェアを誇るサムスン電子が最も積極的に研究を進め、世界に先駆けて実用化レベルに達したため、今回、ライセンス契約を締結するにいたりました。今回のライセンス契約によって、日本の大学発の優れた研究成果が活用され、国際市場に展開されることは、有意義であると認識しております。
JSTが得た実施料は、JSTの研究開発事業等に再投資され、新たな研究成果を生み出す元として活用されます。
今回のライセンス契約は、サムスン電子へ独占的に特許発明の実施を認める内容ではありません。今後、同特許のライセンスを希望するどの企業に対しても、使用許諾することとしております。一部の記事において、あたかも特許権の売却と誤解を招くような表現がありますが、事実ではありません。
2)今回の契約締結に当たっては、JSTの所有する基本特許だけではなく、大学や企業が所有する複数の特許をパッケージ化してライセンスすることに成功した点において、画期的なものといえます。ライセンス契約に基づいてサムスン電子から徴収される実施料は、特許の保有者であるJST、東京工業大学及び企業へ配分されます。なお、JSTが得た実施料の一部については、特許法第35条の規定により、その発明の対価として発明者である細野教授らへ配分されます。