皆様からいただいたご意見と回答

件名 : JSTの判断に疑問を持ちます・インフルエンザワクチン

日時 1.2010年7月9日8時22分
2.2010年7月9日11時38分
ご年齢 50代以上
ご意見 1.今朝の岩手日報の記事を見ました。
JSTの成果発表会の記事で新技術でインフルエンザワクチンの開発が成功した内容でした。
しかし、この話は昨年輸入したノバルティス社のワクチンと差異がないと思います。実際この佐藤教授の細胞培養技術は特許庁で拒絶査定となって新規性がないのに記事には新技術となっています。また、既存の細胞由来のワクチンとの違いも明確でない(記事を読むと細胞由来のワクチンがまだないようにも読める)ので、記事と共にJSTの認可自体疑問を持ちました。おそらく多額の税金を投じていると思うので、しっかりと違いを明確にしたほうがいいと思います。それともJSTの採択基準が甘いのですか?
2.インフルエンザワクチンの成果について意見したものですが、6日の厚労省の「新型インフルエンザワクチン開発・生産体制整備臨時特例交付金」交付事業の採択結果についても、MDCK由来のものを使う予定の企業は入っていません。
したがって、MDCK由来のワクチンはノバルティス社製で基本かたまっていて国内としては離れているのではないですか?
この発表後にMDCKからとった細胞でワクチン生産を目指すという成果発表は税金を使いながら時代遅れと感じます。
JSTは採択に際しチェック機能があるのか疑問です。
回答 この度は、「地域イノベーション創出総合支援事業 育成研究」の研究成果に関するご意見・ご質問ありがとうございました。
7月9日付けの新聞記事は、JSTイノベーションサテライト岩手が7月8日に盛岡市で開催した育成研究の研究成果報告会を記者が取材して掲載したものです。 いただいたご意見に関して補足説明をします。
ご指摘の様に細胞培養法によるインフルエンザワクチン製造には、バクスターインターナショナルインク(米国)はヴェロ細胞、ノバルティスファーマ社(スイス)はMDCK細胞を用いるなど種々の方法があります。細胞培養によりワクチン製造を行う場合は、ウイルスの産生量の高さ及び製造コストと設備償却費の少なさが求められます。国内各社においても細胞培養に関する研究開発が行われています。 本研究は佐藤教授が独自の方法でMDCK細胞から改変・選抜した高増殖性細胞(TR7)を用いて高いウイルス産生を実現したもので、H1型のウイルスではヴェロ細胞の数倍、一般のMDCK細胞及び孵化鶏卵法の2倍以上のウイルス産生量があります。
しかも、新型トリインフルエンザ(H5型)や昨年のパンデミックのブタインフルエンザ(H1型)でも良好な増殖を示します。また、本研究では、従来輸入品に頼っていた培養液や培養用のビーズも開発し国産化しました。
本研究での成果はワクチン製造に関する技術の一要素となります。実用化に向けて、一部の企業から共同研究等に興味を示していただいています。
佐藤教授の特許の件につきましては、拒絶査定の案件は細胞の選抜時に用いるもので、本研究の細胞培養技術には直接関係がありません。なお、本研究について別途出願をしていますが、まだ公開になっていません。
今後とも当機構の事業にご理解・ご支援をお願いします。