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高次精神活動の分子基盤解明とその制御法の開発
柳沢 正史 研究者からのメッセージ 動画:00分56秒 研究内容の紹介 動画:03分55秒 人物紹介 動画:04分29秒 研究者へのホームページ
研究の進捗状況インタビュー
研究者からのメッセージ2010年度 研究内容の紹介2010年度
健康医科学イノベーション棟 健康医科学イノベーション棟(8階建て・延べ面積7,500㎡)が新設され、その4階と5階(1,100㎡)にラボを移転しました。マクロ共焦点顕微鏡、光ファイバー型共焦点内視顕微鏡や多光子顕微鏡などを導入し、本格的な研究活動が稼働しています。さらに、大規模な睡眠覚醒スクリーニングに必要な施設設備を拡充し、脳波測定のスループットが向上しました。

睡眠•覚醒の謎に挑む

睡眠/覚醒の根本的なメカニズムを、脳内のペプチドやその他のリガンドとその受容体の機能解析から明らかにしていきます。また得られた知見をもとに、睡眠を含む高次精神活動の制御法の開発および創薬を目指します。

『眠気とは何か?』という現代脳神経科学最大の
ブラックボックスの解明

睡眠/覚醒の障害は現代社会の大きな問題であるだけでなく、生活習慣病のメタボリック症候群や、うつ病、認知症などの精神疾患とも関連が深いといわれています。眠気のしくみは、時差ぼけなどに関係する体内時計による「サーカディアン(概日)制御」と、徹夜明けに眠いと感じるなど最近どのくらい睡眠をとったかという近過去の睡眠履歴に関係する「ホメオスタシス制御」から成り立っています。私たちの「オレキシン(睡眠/覚醒制御を担う神経ペプチド)」の発見をきっかけに睡眠学研究は飛躍的に展開されてきているものの、特に後者のホメオスタシス制御についてはほとんど分かっていないのが現状です。ノックアウトマウス作製により遺伝子の機能を解明してゆくというリバース・ジェネティクスを用いた研究が多々行われている中、フォワード・ジェネティクス(表現型から原因遺伝子を探す方法)に立ち戻り生化学的アプローチで眠い脳/眠くない脳の比較検証を実施したり、自由行動下のマウスの神経活動を観察するなど、これまでにない方法で『眠気』の正体を探っていきたいと考えています。


肥満やメタボリック症候群にも密接に関与する睡眠障害
睡眠/覚醒、摂食、情動行動などの高次精神活動は複雑な制御システムによって調節されていると考えられてきましたが、私たちの研究により、実は「オレキシン」というたったひとつの神経ペプチドが、睡眠/覚醒の切り替えを制御していたということが明らかとなりました。さらに、オレキシンは睡眠だけでなく摂食行動においても重要な働きを持っていることが分かってきました。成果が予測できる程度では本当の研究とは呼べないと考えています。「なぜ眠らなければならないのか?」「そもそも眠気とは何か?」といった根本的な謎に真っ向から迫ることにより、睡眠障害だけでなく肥満やメタボリック症候群などをも標的とする創薬も視野に入れた研究を行っていきます。


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