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強相関量子科学
十倉 好紀 00-01MOVIE 動画:00分34秒 00-02Play 動画:03分40秒 研究者へのホームページ
研究の進捗状況インタビュー
研究者からのメッセージ2010年度 研究内容の紹介2010年度
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固体中の電子が織り成す幾何学模様
固体中の電子は、量子力学の法則に従う波として伝搬します。この波を特徴づける「運動量」という量の空間で、電子は美しい幾何学模様を作り出します。これは、美しいだけではなく、非散逸性電流をはじめとする電子機能の基になります。私たちは、スピン分解光電子分光法をはじめとする最新のスペクトロスコピーとコンピューターを用いた理論で、相対論的効果に由来するこの幾何学模様を明らかにしました。

電子が相互に反発して、物質の特性が千変万化する

電子同士が強く反発する強相関電子系は、原子構成から想像できない性質を示すことが分かっています。これまでの固定概念にこだわらない、新しい概念を用いて、革新的な電子物性機能の解明に努めます。

強相関量子科学の解明と先端工学への応用を
視野に入れたプロジェクト

物質は陽子と中性子を含む原子核と電子によって構成されており、電子は、その物質によって自由度が異なります。中でも、電子同士が強く相互作用し合う物質を強相関電子系と呼びます。
例えば、原子構成からは金属のような導電性を持つと予想されるのに、実際は絶縁体と同様の性質を示すモット絶縁体などは、強相関電子系の良例です。モット絶縁体は、極めて複雑な電子間バランスで実現するため、外部の電場・磁場の影響によっては、巨大な応答を見せることがあります。また、量子力学的波動としての電子の干渉現象は、熱の発生を伴わない電流などの優れた機能をもたらします。このように強相関電子系は、従来の半導体・金属物理学の延長では説明不能な、多くの驚くべき物性・機能応答を示すのです。
本プロジェクトでは、強相関電子のもつ多自由度の絡み合いを制御して、エネルギー消費をともなわない量子状態(情報)の制御やエネルギーの高効率変換など、未踏かつ革新的な電子物性機能の解明を目的とします。


新しい概念を追い求める
"More is different."という高名な理論物理学者フィリップ・アンダーソンの言葉があります。これは「たくさんあるということは1個のものと本質的に違う」ということです。しかし、分子、原子、あるいは電子が、多自由度を持っている状態では、ひとつの究極を追いかけるのとは異なる、質的に新しい概念が必要になるのです。強相関量子科学においては、まさにこの学理の解明とその先端工学への応用を視野にプロジェクトを実施します。


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