【アートな科学011】 ~JSTの研究開発課題の中の美しい1枚をご紹介します~
夜空を彩る知識の花火
無断使用を禁ず
【解説】
周辺に散る小さな小さな枝は、線香花火に似ています。
これは無数の論文をそれぞれの関係性や特性からデータ解析したものです。
論文を点として、線は論文間の引用関係を表し、大きなグループを属性ごとに分類する「クラスタリング分析」により小さなグループごとに色づけしています。
たとえば、左上の図は「太陽電池」という大きなグループに属する論文を集めて、
「色素増感型太陽電池」や「シリコン型太陽電池」などの小さなグループごとに色分けし、
引用関係の少ないところで境界を引いています。
似た色同士のグループに意味づけはありませんが、近い場所にあるグループは内容が近いグループです。
引用関係が、密集した領域、希薄な領域、どの分野にも関係して大きく広がる領域もあれば、他と独立した領域もあります。
中心となる論文の周囲に関連の深い論文がつながりを持って花びらとなります。
はかなく咲く線香花火と違い、数年かけて大輪の花を咲かせる可能性を秘めているのです。
知識は、個人が知る範囲を超えて、さまざまに広がっていることに気づかされます。
科学計量学では、目でとらえることが難しい社会現象を見える情報にし、国の科学技術政策や技術経営分野の資料として活用しています。
【JST課題名・研究者名】
科学技術情報連携・流通促進事業
作成者: 岩見 紫乃 研究員 (JST情報企画部情報分析室)
- 【関連リンク】
- 学術俯瞰システム
http://academic-landscape.com/ - 東京大学イノベーション政策研究センター
http://ipr-ctr.t.u-tokyo.ac.jp/ - 東京工業大学梶川研究室
http://www.k-lab.mot.titech.ac.jp/
- 【データ収集に活用したサイト】
- J-GLOBAL
http://jglobal.jst.go.jp/ - トムソン・ロイター社 WEB OF SCIENCE