量子暗号通信が身近に?!
水落憲和准教授(大阪大学)と山崎聡主幹研究員(産業技術総合研究所)のグループは、人工ダイヤモンドを用いて室温で電気的に単一光子を発生させることに世界で初めて成功しました(写真の赤点は放出された光子を積算したイメージ像)。本成果は、どのような技術でも盗聴できない究極の通信技術として期待される量子暗号通信の光源に利用でき、これまでの光源で課題となっていた極低温での動作やレーザー使用の問題を解決します。
たんぱく質の混合物を全自動で精度良く分析できる装置の開発に成功!
シャープ株式会社と熊本大学大学院生命科学研究部の開発チームは、タンパク質の混合物を全自動で分離できる装置を開発しました。これは、それぞれのタンパク質分子が持つ物理的性質の違いを利用して分離する「タンパク質2次元電気泳動法」の自動化に成功したものです。本装置を使用すると、従来は2日間であった作業時間を約100分に短縮し、さらに5倍の分解能で再現性のよい結果をもたらします。
スプレーするだけで“がん細胞が光る”試薬を開発!微小がんの見落としや取り残しを防ぐ技術として期待
浦野泰照教授(東京大学)は小林久隆主任研究員(米国国立衛生研究所)と共同で、多くのがん組織で活性が増強する「γ-glutamyl transpeptidase(GGT)」という酵素に着目して、がんを数十秒から数分で検出する「有機小分子蛍光プローブ」試薬を開発しました。しかも、患部に極少量スプレーするだけで、1mm以下の微小がんでも目視で明確に検出でき、がんを短時間で鋭敏に可視化する技術は、世界初のものです。本試薬は、がんの手術で微小がんの見落としや取り残しを防ぐ技術として、今後の臨床への応用が期待されます。
独自のセル構造で次世代型太陽電池の耐久性向上に成功!
早瀬修二教授(九州工業大学)と新日鐵化学株式会社は、次世代の太陽光発電として期待されている「色素増感太陽電池」について、独自の円筒型セル構造の開発により電解液の封止性を高めることで耐久性を向上させることに成功しました。今後、さらに電解液漏洩の少ない構造にすることで、高耐久性かつ低価格の色素増感太陽電池の実現が期待されます。
iPS細胞を効率よく誘導する“魔法の遺伝子”Glis1を発見!
山中伸弥教授(京都大学)らは、安全性の高いiPS細胞を作製できる新しい遺伝子”Glis1”を発見しました。iPS細胞は体細胞に4因子(Oct3/4、Sox2、Klf4、c-Myc)を導入して作製しますが、原がん遺伝子であるc-Mycによる腫瘍発生のリスクがありました。今回発見したGlis1をc-Mycの代わりに細胞に導入すると、効率良くiPS細胞ができるだけでなく、初期化不完全な細胞の増殖を抑制しました。またiPS細胞を初期胚に移植して作製したマウス(キメラマウス)は腫瘍を発生しませんでした。Glis1はiPS細胞の実用化を導く”魔法の遺伝子”となりそうです。
軟骨やがん組織などを撮影可能な革新的X線撮影装置の開発に成功!
百生敦准教授(東京大学)とコニカミノルタエムジーらの開発チームは、病院などで使用されている通常のX線源を用い、撮影対象を通過したX線の位相の違いから画像の濃淡を生成する革新的なX線撮影装置を開発しました。 一般的に用いられているX線撮影装置では、骨のようにX線を吸収しやすい組織の画像しか得ることができません。今回開発した装置では、従来の技術では得られなかった軟骨など体内の柔らかい組織についても、X線画像を撮影することに成功しました。
「液体シリコン」を塗って焼き固めて太陽電池を作製!
下田達也教授(北陸先端科学技術大学院大学)らの研究グループは、インク状ににしたシリコン水素化物を基板の上に塗って焼き固める方法により、太陽電池セルを試作することに成功しました。現時点での変換効率は、従来のシリコン系太陽電池に比べて劣るものの、製造プロセスの低コスト化などを見込むことができ、今後企業との共同研究を強化し、実用化に向けた研究を進めていきます。
簡便で迅速に前立腺がんを早期発見できる体外診断薬キットの開発に成功!
民谷栄一教授(大阪大学)らの研究成果を基に、田中貴金属工業株式会社が、前立腺がんを簡便・迅速に早期発見できる高感度の対外診断薬キットを開発しました。今回開発した診断薬は、金コロイドのプラズモン効果による赤色発色現象を利用し、再発検査で必要な高感度を実現しています。これにより、前立腺がん患者のQOL(クオリティ・オブ・ライフ:生活の質)の改善が期待されます。
動いているたんぱく質分子の振舞いを直接撮影することに成功!
安藤敏夫教授(金沢大学)らは、世界最高性能の高速原子間力顕微鏡を開発し、動いているたんぱく質分子をそのまま高速撮影することに成功しました。従来はたんぱく質に結合させた蛍光分子の動きを追跡してたんぱく質分子の振る舞いを推測していましたが、今回の成功により、ミオシンというたんぱく質が動く仕組みを詳細に調べることができました。今後、たんぱく質をはじめとする生体分子の動く仕組みのほか、様々なナノスケールの動的プロセスの解明にも貢献が期待されます。
マウスの体内にラットの膵臓を作ることに成功!
中内啓光教授(東京大学)と小林俊寛ERATO研究員らは、マウスの体内にラットの多能性幹細胞由来の膵臓を作ることに成功しました。マウスとラットという種を超えて臓器を再生することに成功したことから、本研究成果を応用すれば、異種動物の体内で臓器の形成メカニズムを解析することが可能となり、さらに大型動物の体内でヒト臓器を再生するといった、全く新しい再生医療技術の開発に大きく貢献するものと期待されます。
空中に浮かんだ立体映像に手で触ることのできるディスプレイを開発!
舘ワ教授(慶應義塾大学)らは、多視点裸眼立体ディスプレイ「RePro3D」を開発しました。ユーザーは特殊なメガネをかけることなく、目の前の空間に存在しているかのような自然な立体映像を観察できます。さらに、実際の物体に触っているのと同じ感覚で映像に触ることができます。今後、情報コンテンツの「体験」を可能とする新しいマルチモーダルメディアとして、博物館の展示やデジタルサイネージ、アーケードゲームなど、さまざまな方面への応用が期待されます。
手のひらサイズの電子線プローブX線マイクロアナライザーの開発に成功!
河合潤教授(京都大学)らは、手のひらに乗るほど超小型の電子線プローブX線マイクロアナライザー(EPMA)の開発に成功しました。EPMAは様々な材料の構成元素分析などに用いられ、従来は高電圧電源などを必要とする高価で大型の装置でした。今回開発した超小型EPMAは乾電池と簡単な真空ポンプで駆動することから、将来的に屋外など場所を選ばず手軽に元素分析を行うことが可能になると期待されます。
日本科学未来館への累計来館者が700万人を突破!
9月3日(金)、日本科学未来館では2001年のオープン以来、700万人目の来館者を迎えて記念セレモニーを開催しました。記念すべき700万人目の来館者は、埼玉県から来られた池上 暁子(いけがみ あきこ)さん(18歳・大学生)でした。
お酒が誘発する鉄系超伝導!
高野義彦グループリーダー(物質・材料研究機構)らの研究チームは、本来は超伝導性を示さないとされる鉄・テルル・硫黄からなる化合物をさまざまな種類の酒に浸し、セ氏70度・24時間加熱すると、超伝導を示すという現象を発見しました(転移温度は、約8ケルビン:セ氏零下245度)。現在、お酒の中のどの成分が作用して超伝導が発現するかについて研究中であり、今後、原因物質を明らかにすることにより、更なる新しい超伝導物質探索への期待が持てます。
iPS細胞から、免疫治療に「役に立つ」リンパ球を大量に作製することに成功!
古関明彦グループディレクター(理化学研究所)らは、マウスの成熟したリンパ球で、抗がん効果を発揮するNKT細胞からiPS細胞を作製し、そのiPS細胞からNKT細胞だけを大量に作り出し、マウス体内で腫瘍抑制効果があることを世界で初めて確認しました。iPS細胞から目的にかなうリンパ球だけを作製すること、大量に増やすことは技術的に困難とされてきましたが、それらを克服する成果であり、今後ヒトのがんなどに対してNKT細胞を用いる新しい免疫治療法への発展が期待されます。
外科手術中に切除すべき部分をリアルタイムで可視化できるCCDカメラの開発に成功!
佐藤隆幸教授(高知大学)らは、透過性があり人体に影響を及ぼさない近赤外光に着目し、リンパ管や血管にインドシアニングリーン(ICG)を投与することにより発せられる、本来は目に見えない近赤外蛍光像を捉え、同時に周辺組織を可視光像としてリアルタイム動画で描出することができる世界初のCCDカラーカメラの開発に成功し、術中ナビゲーションシステム「ハイパーアイ・メディカル・システム」として製品化しました。心臓外科や乳腺外科など幅広い医療分野での活用が期待されます。
絶縁体でも電気信号を伝送できる方法を発見!省エネにつながる技術として大きな期待
齊藤英治教授(東北大学)らは、相対論に基づく新原理を用いて電気をスピンの流れに変えることにより絶縁体中に電気信号を流すことに成功しました。この研究成果は、従来の電子素子がかかえていたジュール熱によるエネルギー損失の問題を解決できるだけでなく、スピンエレクトロニクスの新しい世界を拓くものと期待されます。
粘菌が効率的で堅牢な輸送ネットワークをつくることを数理モデルで解明!
手老篤史研究員(JSTさきがけ研究者)らは、単細胞生物の真正粘菌が形成する餌の輸送ネットワークを実験・理論の両面から解析し、数理科学的にネットワークを再現する理論モデルを構築しました。その結果、粘菌の作るネットワークによる物質輸送は、実際の鉄道ネットワークより輸送効率が良いことや、アクシデントに強いことが分かりました。
今回の研究成果は、経済性および災害リスクなどの観点から最適な都市間ネットワークを設計する手法の確立につながるものと期待されます。
95%以上が水でできた環境に優しい新素材を開発。同程度に水を含むこんにゃくの約500倍の強度!
相田卓三教授(東京大学)らは、大部分が水でできており、しかも高強度な新素材「アクアマテリアル」の開発に成功しました。このアクアマテリアルは、大部分が水でできたものとしては、今までに知られているどの材料よりはるかに高い強度を持ち、形が保たれるとともに、ナイフで切っても、直後であればもとのようにくっつけることができるという特徴も有している新素材です。クリーンな物質の象徴である「水」から構成されるアクアマテリアルは、環境に優しい材料として期待されます。
カプセル状分子を用いた均一構造のナノシリカ粒子合成に成功!
藤田誠教授(東京大学)らは、金属錯体の結合角などを精密に設計しておくことで自己組織化により合成される球状のカプセル状分子を作成し、その内側で均一な構造のナノ粒子を合成する方法を確立しました。今回、カプセル状分子内にシリカの原料を取り込み易くする置換基を置き、そこで原料の重縮合反応を起こし、粒径が5nm以下の極めて均一なシリカ球状粒子の合成に成功しました。この手法を他の様々な機能性の高いナノ粒子の合成反応に適用することで、新反応の開拓や新薬の創成、分子レベルでのマテリアル設計など多分野の発展に大いに貢献することが期待されます。
海藻由来の環境に優しい凝集沈殿剤を開発! 化学系と同等の効果を有し安価で安全
榎 牧子助教(東京海洋大学)らの研究成果をもとに、東洋建設株式会社が海藻のアルギン酸を主成分とする天然由来の凝集沈殿剤の製造技術の開発に成功しました。従来から用いられているPACなどの化学系の凝集沈殿剤に比べ凝集効果が高く、上澄みのpHが変わらない、生分解性であるため土壌に残留しないなどの利点があります。このため、河川の濁水処理はもとより、工場廃水の浄化や上水処理への応用拡大が期待されます。
筋ジストロフィー患者由来のiPS細胞における遺伝子修復に成功
押村光雄教授(鳥取大学)らは、デュシェンヌ型筋ジストロフィー患者由来の人工多能性幹細胞(iPS細胞)で欠損している原因遺伝子を、独自に改良した「ヒト人工染色体(HAC)ベクター」を用いて完全に修復する技術を開発しました。従来は不可能であった原因遺伝子の完全修復が、筋ジストロフィー患者由来のiPS細胞において証明され、今後、他技術との併用により、新たな遺伝子治療戦略につながる可能性を拓きました。
日本科学未来館への累計来館者が600万人を突破!
10月22日(木)、日本科学未来館では2001年のオープン以来、600万人目の来館者を迎えて記念セレモニーが開催されました。記念すべき600万人目の来館者は、香川県から来た高校1年生で、理数科クラスの研修旅行の一環として来館されました。
電子トリアージ・システムの実証実験を実施! 救命救急現場での実用化を目指す。
東野輝夫教授(大阪大学)らは、混乱する災害現場で多数の傷病者から緊急度の高い傷病者を迅速に見つけ、また傷病者の位置や病状変化をリアルタイムに監視・収集・図的に提示するための災害時救命救急支援システム(電子トリアージ・システム)を研究開発しており、実用化に向けての実証実験が2009年9月6日に順天堂浦安病院で行われました。ここで「トリアージ」とは、大事故・大規模災害など同時に多数の傷病者が発生した際に、救命の順序(緊急度)を決定する手法を言います。
汚染土壌の浄化に有望!カドミウムを除去するマリーゴールド
飯村洋介主任研究員(産業技術総合研究所)の研究成果を基に、株式会社小泉がカドミウムを効率良く吸収するマリーゴールドの新品種を作り出すことに成功しました。従来、汚染土壌の浄化方法は土壌を掘削搬出して行われて来ましたが、環境負荷の少ない方法が望まれていました。今回のように、植物の品種改良によって土壌中の重金属などの有害物質を効率的に吸収させる方法は、安価で自然に優しく、同時に二酸化炭素の削減にも寄与できるクリーンな技術として期待されています。
高齢者の体操参加意欲向上に期待! 介護予防リハビリ体操補助ロボット「たいぞう」を開発。
イノベーションサテライト茨城の育成研究課題(H18〜21)の一環として、比留川博久研究部門長(産業技術総合研究所知能システム研究部門)は、ゼネラルロボティックス株式会社、茨城県立健康プラザと共同で、介護予防リハビリ体操の体操指導士を補助できる人間型ロボット「たいぞう」を開発しました。体操指導士が音声で簡単に指示でき、約30種類の介護予防リハビリ体操を実行できます。受講者の好奇心が呼び起こされ、体操参加の意欲向上が期待されます。
90歳以上が高レベルの抗体を保有−新型インフルエンザA(H1N1)ウイルスの特性を解明!
河岡義裕教授(東京大学)らは、現在も流行を拡大し続ける新型インフルエンザA(H1N1)ウイルスが季節性インフルエンザウイルスと比較して肺でよく増殖すること、現在使用されている抗インフルエンザ薬で増殖を抑制できること、90歳以上の人には中和抗体が存在するが、それより若い人々のほとんどは持っていないといった特性を明らかにしました。これらは、今後の新型インフルエンザウイルス対策を考える上で重要な発見です。
霊長類を用いた難病研究に期待! 遺伝子改変霊長類の作出に成功。
佐々木えりか室長(実験動物中央研究所)と岡野栄之教授(慶應義塾大学)らは、霊長類であるコモンマーモセットで遺伝子改変動物を作り出すことに成功しました。遺伝子が導入された第一世代だけではなく、第二世代でも導入遺伝子の発現が認められており、次世代まで導入遺伝子が受け継がれた霊長類の作出は世界で初めてです。今後、パーキンソン病や筋委縮性側索硬化症(ALS)などの神経難病のモデルマーモセットを作り出し、前臨床研究が大きく前進するものと期待されます。
生きたがん細胞だけを光らせることに成功! 効果的ながん治療に期待。
浦野泰照准教授(東京大学)らは、生きているがん細胞に取り込まれると光る“プローブ分子”を開発し、これをがん細胞だけに取り込まれる抗体と組み合わせることで、生きたがん細胞だけを光らせモニターすることに成功しました。 今後のがん診断・治療において画期的な役割を果たすことが期待されます。
マウスの肺がんが消えた! 肺がん特効薬を目指す研究が進展。
間野博行教授(自治医科大学)らは、肺がん発症マウス作りに成功するとともに治療をおこなうことでその腫瘍が消失することを確認しました。 この研究では、特定の肺がんにおける発がんの主たる遺伝子が証明され、さらにがん腫瘤の壊死・消失が確認されています。肺がんの有効な治療法につながることが期待されています。
ナノテクノロジーで高性能エコ塗料を開発! 耐汚染性と環境対策を両立。
木村良晴教授(京都工芸繊維大学)の研究成果及び技術指導を基に、水谷ペイント株式会社は超微粒子シリカの周りをアクリルシリコン樹脂で覆ったナノコンポジットエマルション樹脂を開発しました。 この樹脂を用いることで安価で汚れにくく、環境にも優しい新しい塗料が誕生しました。
臨床応用に向けた安全性の確保に一歩前進! ウイルスベクターを用いずにiPS細胞を樹立。
山中伸弥教授(京都大学)らの研究グループは、ウイルスベクターを用いない遺伝子導入法(プラスミドベクター)による人工多性能幹細胞(iPS細胞)の樹立に成功しました。iPS細胞の研究では、倫理問題や拒絶反応のない細胞移植治療の実現が期待されていますが、従来のウイルスベクターを用いた樹立方法では腫瘍形成が見られることより安全面での問題が指摘されていました。今回の開発された方法で作製されたiPS細胞は腫瘍形成が抑えられており、細胞移植治療へ応用する際の安全性向上につながるものと期待されます。
ダチョウ抗体を用いた鳥インフルエンザ防御用素材の開発。
塚本康浩教授(京都府立大学)はダチョウ卵黄を利用し、インフルエンザウイルスやノロウイルスに対して、従来の抗体と比較して質的量的に優位性がある抗体の大量生産に成功しました。本技術を用いて、パンデミックの可能性がある高病原性鳥インフルエンザウイルスH5N1の感染を不活性化する高精度な抗体を低コストで大量作製し、そのウイルスの空気飛沫感染を防御可能とするダチョウ抗体マスクを商品化しました。
新しい超伝導に世界中が注目! 新系統の高温超伝導物質。
細野秀雄教授(東京工業大学)の研究グループは2008年2月、最大26K※の転移温度を持つ新系統の高温超伝導物質(鉄を含むオキシニクタイド化合物)を発見しました。鉄を含む化合物でこれほど高い転移温度を示したものはなく、新しいタイプの高温超伝導物質であると考えられています。
この発見を契機に、新物質探索や超伝導発現機構解明等の研究が世界中で繰り広げられ、現在、50Kを超える転移温度にまで到達しています。
※ 電気抵抗がゼロになる温度を指す。これまで32Kと表記していたのは、超伝導転移が起こり始める温度を指していた。
- 鉄系高温超伝導の研究論文が2008年の最多引用論文に選ばれました! 詳しく知る
日本科学未来館への累計来館者が500万人を突破!
平成13年7月9日に開館した、日本科学未来館(東京都江東区青海2-41)は開館8年目の平成20年8月26日に、来館者累計が500万人を突破致しました。当日は日本科学未来館シンボルゾーンで開催中の特別展示「みんなの地球展2008」の会場内に設けた特設ステージで記念セレモニーが開催され、館長の毛利衛より500万人目の親子に認定証と記念品・花束を贈呈した他、7月31日にリニューアルオープンした常設展示「こちら、国際宇宙ステーション(ISS)」の説明を受けられました。
多患者細胞自動培養装置の開発に成功。再生医療をサポート!
木睦教授(北海道大学)らの研究成果を基に、川崎重工業株式会社が多患者細胞自動培養装置の開発に成功しました。再生医療用に培養する細胞は現状では医療用のクリーンルーム内において手作業で行われていますが、自動培養装置による一定品質の細胞の安定した供給が望まれています。今後、iPS細胞などの再生医療への応用開発の加速化に向けて、再生医療の臨床や創薬研究等で利用が期待されます。
再生医療が新たなステップに − ヒト培養軟骨の開発に成功
越智光夫教授(広島大学)および田谷正仁教授(大阪大学)らの研究成果を基に、株式会社ジャパン・ティッシュ・エンジニアリングが自動制御培養法を用いたヒト培養軟骨の開発に成功しました。損傷した軟骨組織は自然治癒しません。本新技術は関節軟骨を損傷した患者から採取した軟骨細胞を三次元培養した後に患者自身へ移植するもので、新たな可能性を示す治療法として期待されます。
歯科インプラント手術支援用具の量産に成功。患者への負担を軽減!
荘村泰治教授(大阪大学大学院歯学研究科)らの研究成果を基に、和田精密歯研株式会社が安心・安全な歯科インプラント手術を行うための手術支援用具(サージカルガイド)の実用化開発に成功しました。近年、歯が欠損した場合の治療法として人工歯根を埋め込み、その上に人工の歯を装着する歯科インプラント手術が普及しています。本開発のサージカルガイドを使うことで手術の安全性や正確性が向上し、手術時間が短縮されるため、患者への負担が軽減します。
自己の細胞で脳機能を再生。脳梗塞治療への挑戦!
骨髄細胞群中の神経系幹細胞が、脳梗塞等の脳神経再生に極めて有効であることを世界に先がけて見出しました。この細胞は、脳に直接投与する必要はなく、静脈投与により患部に到達させることができ、自己細胞のため、免疫拒絶反応もクリアできます。
本研究は、札幌医科大学 本望修講師らによるもので(JSTイノベーションプラザ北海道・育成課題:平成16年〜18年)、平成19年1月より、札幌医科大学にて臨床研究がスタートしています。
ヒトの皮膚から万能細胞(iPS細胞)作製に成功。
山中伸弥教授(京都大学)率いる研究チームは、ヒトの皮膚細胞から胚性幹細胞(ES細胞)と遜色のない能力を持った人工多能性幹細胞(iPS細胞)の開発に成功しました。受精後まもないヒト胚から樹立される胚性幹細胞(ES細胞)は、細胞移植療法の資源として期待されていますが、ヒト胚利用に対する倫理的な反対意見も根強く、慎重な運用が求められています。今回開発された技術により、この問題を克服する事で、倫理問題や拒絶反応のない細胞移植療法の実現が期待されます。
潮の干満による微振動から震度7を超える激震まで計測。ディジタルサーボ地震計を開発!
木下繁夫教授(横浜市立大学)らの研究成果をもとに、(株)東京測振が「ディジタルサーボ地震計」の開発に成功しました。
従来は、震度の強弱に応じて2種類のアナログ地震計が使い分けられていたものがこれ1台で計測可能、地球上で発生するほとんど全ての地震に対応できます。これにより、計測データが統一されて解析がしやすくなり、複数の地震計を管理する手間とコストを削減。地震予知、火山噴火の研究、ビルの制振機構への組み込みなど、さまざまな用途拡大が期待できます。
ピロリ菌の感染戦略を発見!抗生物質とは異なる治療法の開発に期待。
笹川千尋教授(東京大学)らは、ピロリ菌が、その感染維持のために、宿主の胃粘膜上皮細胞の細胞死を抑制しているメカニズムを発見しました。細胞死が抑えられることにより、代謝回転(ターンオーバー)が遅れるため、病原体は長く感染の足場に留まることになります。
胃炎や胃潰瘍、胃ガンの発症に関わるピロリ菌には、世界の人口の約半数が感染しています。本研究により、粘膜病原細菌に対する、抗生物質とは異なる治療法の発見が期待されます。
水を通さない「細胞膜」!熱水でさらに硬くなる、新しい膜材料が誕生。
細胞膜の基本構造である「分子二重膜」をフラーレンから作ると、最大で通常の細胞膜の1万倍、水を通しにくい膜ができることがわかりました。
本研究は、中村栄一教授(東大大学院)、磯部寛之教授(東北大大学院)らの研究グループによるもので、加熱することによってさらに水を通さなくなります。この性質を利用して、例えばメタンハイドレートからメタンガスを分離するなど、工業面での応用に大きな期待が寄せられています。
閉経後の骨粗鬆症の病因を解明!新しい治療薬の開発に道。
閉経後に骨粗鬆症が起きやすくなるメカニズムの一端を、加藤茂明教授(東京大学)らのチームが解明しました。
研究チームは破骨細胞に着目、女性ホルモンが、骨吸収を司る破骨細胞の寿命を調節することで骨量維持に関わっていることを明らかにしたものです。これらの詳細なメカニズムの分析により、閉経後骨粗鬆症治療薬の開発に可能性が見いだせます。
ニジマスのみを生むヤマメの代理両親の作出に成功。クロマグロをサバに生ませる可能性に期待!
吉崎悟朗准教授(東京海洋大学海洋学部)は、ニジマス精原細胞を移植したヤマメの両親を交配することにより、正常なニジマスの稚魚のみを生産することに成功しました。
この研究により、凍結保存された精原細胞を移植して、絶滅種の稚魚を復活させる可能性が見出されました。また、サバのような養殖しやすい小型魚種に、乱獲が心配されるクロマグロの稚魚を生ませる技術の実現が期待されます。
マイクロTAS技術が土壌・水質などの汚染現場で威力を発揮!
鈴木博章教授(筑波大学)らの研究成果をもとに、積水化学工業株式会社が、重金属を迅速・高感度・高精度に測定する小型分析装置を開発しました。
重金属分析のほとんどは、現在、大型の分析装置によって行われています。この方法は調査地から離れ、時間もかかるのが問題でした。本開発では、微小電気化学セル=測定用チップを採用し、ティッシュ箱サイズの小型読取機で分析することに成功。工場跡地などの“現場”で活躍が期待されます。
貴重な文化財のデジタルアーカイブに適した「超高精細スキャナ」を開発!
井手亜里教授(京都大学)率いるプロジェクトは、ゆがみがなく、忠実な色再現を実現した「超高精細スキャナ」の開発に成功しました。文化財に接触することなく画像を取り込めるので損傷の心配がなく、すでに、世界遺産である二条城などで試験的に使用されています。
また同時に、高精細の画像から顔料の情報を得るソフトウェア「画像材料推定システム」を開発。貴重な文化財の保存・修復への貢献が期待されます。
地雷の材質や形状に依存しない「爆薬そのものを探知する地雷探知センサー」を開発!
現在、主に行われている地雷探知には金属探知器が用いられています。しかし、この方法は誤警報が多く、本物を探り当てるのは1000回に1回ともいわれています。地中を映像化する地中レーダーとの組み合わせでも、空き缶や石などとの区別はいまだに困難です。
このため、JSTは5年をかけて「爆薬そのものを探知する」3種類の新センサーを開発しました。広く爆発物への応用が可能で、テロ対策、警備用途への適応も期待できます。(イラストは未来のイメージです)
日本科学未来館への累計来館者が400万人を突破!
平成13年7月9日に開館した、日本科学未来館(東京都江東区青海2-41)は開館7年目の平成19年8月5日に、来館者累計が400万人を突破致しました。
当日は日本科学未来館シンボルゾーンにて400万人達成記念セレモニーが開催され、館長の毛利衛より400万人目の親子に認定証と記念品・花束を贈呈した他、8月11日公開予定のドームシアター新コンテンツ「宇宙エレベーター」を特別プレゼントとして観覧頂きました。
日本人に足りない鉄、亜鉛、カルシウムなどのミネラル。
長年にわたる栄養不足の解消に期待、「ツイントース」®を製品化!
北海道大学、日本甜菜製糖(株)、(株)ファンケルは、ミネラルの吸収を高める成分の大量生産と実用化に成功し、サプリメントとして製品化しました。ミネラルは一度にたくさん摂取することが難しく、体内への吸収もされにくいという問題がありましたが、それらを解消すべく製品化されたのが「ツイントース」®(学術名:DFAV)です。
この成果は、北海道地域結集型共同研究事業として行われ、研究者や企業だけでなく、地域産業活性化、国民全体の健康の向上に寄与しています。
次世代記録媒体の世界標準に大きく前進!日本の最先端メモリ技術。
井上光輝教授(豊橋技術科学大学)が開発した、コリニアホログラフィを用いたHVD(Holographic Versatile Disc)が、2007年、ヨーロッパの標準化推進機関 Ecma Internationalにおいて国際標準規格として採択されました。これにより、本技術が世界市場で優位を占める期待が高まっています。
記憶容量は将来的には1.3テラバイト以上と予想され、Blu-rayやHD DVDに続く、第4世代の光ディスクとして注目が集まっています。
日本科学未来館のプラネタリウム MEGASTAR-Ⅱcosmosの新コンテンツ「偶然の惑星」公開中!
世界で最も先進的なプラネタリウムとしてギネスワールドレコードに認定(2004年11月)されている「MEGASTAR-Ⅱcosmos (メガスターⅡコスモス)」は、500万個の恒星数を投影し、宇宙のスケール感を実感することができます。
そもそも惑星とはどのような存在なのか、地球はどのくらい特別な惑星なのか。新コンテンツ「偶然の惑星」は、美しい音楽に乗せて、素朴な疑問を先端科学の視点で読み解きます。
味のデジタル化で“苦くない薬”の出現に期待。人間の舌を模した味覚センサの性能向上に成功!
都甲潔教授(九州大学大学院システム情報科学研究院)らの研究成果をもとに、株式会社インテリジェントセンサーテクノロジーが、人間の舌の反応を模した「味覚センサ」の性能を向上させることに成功しました。
誰にでも味をデジタル化することが可能になり、“苦くない薬”の製剤開発や、“キレ、コク”といった後味のデジタル化で料亭やおふくろの味も再現できるようになります。
アトピーで悩む患者、家族に朗報!着用することでかゆみを軽減する肌着を開発
ダイワボウノイ株式会社がかゆみを鎮める新しい肌着を開発しました。
小宮山淳(信州大学学長)、白井汪芳(信州大学理事)、横関徳二(花園病院元院長)、神村昌孝(神村製作所社長)の研究成果をもとに、機能性繊維の製品化に成功。抗アレルギー剤服用といった投薬治療とは異なり乳児も安心して利用でき、アレルギーで苦しむ患者や家族のQOL(Quality of Life)の向上に役立っています。
新薬の研究に不可欠なタンパク質の解析。タブーを破る方法でタンパク質の結晶化に成功!
タンパク質の結晶作りはこれまでボトルネックになっていましたが、大阪大学の高野和文准教授、村上聡准教授、井上豪准教授らは、常識を破る方法で良質なタンパク質結晶を作る結晶化技術の開発に成功。
自らが出資して大学発ベンチャーを立ち上げ、タンパク質結晶化ビジネスをスタートさせています。
眠りを制御する脳内物質を発見!睡眠障害の謎を探る。
柳沢正史教授(米国テキサス大学)らは、ナルコレプシー(睡眠障害)の原因が脳内のタンパク質「オレキシン」の欠乏であることを突き止めました。
マウス実験の結果、睡眠と覚醒の制御が確認され、脳の睡眠中枢のメカニズムに初めて科学のメスが加わりました。この成果は、ゆううつな時差ぼけの改善や不眠治療につながるのではと期待が高まっています。
委託開発から育った新技術が、日刊工業新聞社の産業技術大賞≪審査委員会特別賞≫を受賞。
開発の内容は、浅野康一名誉教授(東京工業大学)の研究成果をもとに、大陽日酸株式会社が、高純度酸素蒸留技術を用いて、世界で初めて、濃縮度98%以上の高純度18O標識水の製造に成功したというものです。
本新技術では、従来の水蒸留法に比べエネルギーコストが小さく、毒性を持つ一酸化窒素を使用しないことから安全な大量生産が可能となりました。
青色発光ダイオードを実用化。 光の3原色でフルカラー表現が可能に。
赤ア勇教授(当時、名古屋大学)と豊田合成株式会社は、発光効率が高く寿命が長い青色発光ダイオードの製造技術を確立しました。
携帯電話のバックライトや街頭の大型ディスプレイなどの応用製品の総売上は、3兆6千億円に達すると見られ、わが国に大きな経済波及効果をもたらしました。
振動によって褥瘡を予防し、治療する。患者にも介護する人にもやさしいケア用具を開発。
真田弘美教授(東京大学大学院医学系研究科)らとマツダマイクロニクス株式会社は、「振動による褥瘡(じょくそう)治療用具」の開発に成功しました。
床ずれの初期段階の臨床試験の結果、一週間以内にほとんどすべての褥瘡部位での発赤が縮小、あるいは色素沈着へと改善され、発赤の解消に有効であることが確認できました。
マウスの皮膚細胞から万能幹細胞の誘導に成功。 再生医学に大きな期待。
山中伸弥教授(京都大学再生医科学研究所)らは、マウスの皮膚細胞から、胚性幹(ES)細胞と同様の高い増殖能とさまざまな細胞に分化できる万能性をもつ万能幹細胞(多能性幹細胞)を誘導することに成功。
倫理的問題や、移植による免疫拒絶反応の克服も期待されます。
昆虫が墜落しないのはなぜ?飛行のメカニズムを解明するシミュレーターが完成。
翅(はね)の羽ばたきで飛ぶ昆虫が、横風のような強い外乱を受けても墜落しないのはなぜか。
劉浩教授(千葉大学工学部電子機械工学科)は、その秘密を解き明かすべく昆虫飛行が再現できるシミュレーターを開発しました。小型飛行体やマイクロマシンの設計が実現するかもしれません。





























































