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Research Content 研究内容

ラマン顕微鏡を用いたE d U の生細胞イメージング

 低分子化合物の細胞内局在を調べる手法としては、蛍光団を導入して蛍光顕微鏡でイメージングする方法が一般的です。しかしながら、蛍光団は大きな分子であるため、化合物の活性を損なうケースが多くあります。そこで、私たちはこの問題点の解決を目指しました。

 ラマン顕微鏡は分子の振動状態を反映するラマン散乱光をもとに試料中の分子を直接同定・分析する顕微鏡です。アルキンは極めて小さな分子でありながら、細胞内分子が持たない特徴的かつ強いラマン散乱を示します。そこで、これをタグ(標識)としてラマン顕微鏡でイメージングすることを目標に研究を行いました。

 アルキンを持つ分子として、私たちはEdU(5-ethyny l-2’-deoxyuridine)に着目しました。EdUはDNAの構成要素であるdT(deoxythymidine)のミミックであり、核内のDNAに取り込まれることが知られています。そこでEdU処理細胞のラマン顕微鏡観察を行ったところ、細胞内のEdUのアルキン振動に由来するラマン散乱の検出に成功し、さらにEdU が経時的に核に取り込まれる様子を生細胞で観察することができました。このことはラマン顕微鏡を用いた低分子化合物の生細胞イメージングが有望であることを示唆しています。現在、私たちはラマン顕微鏡およびタグ分子の双方を改良し、新しいイメージング技術としての確立を目指しています。

Hiroyuki Yamakoshi, Kosuke Dodo, Masaya Okada, JunAndo, Almar Palonpon, Katsumasa Fujita, Satoshi Kawata, Mikiko Sodeoka. Imaging of EdU, an Alkyne - tagged Cell Proliferation Probe, by Raman Microscopy, J. Am. Chem. Soc., 133, 6102-6105(2011).

Hiroyuki Yamakoshi, Kosuke Dodo, Almar Flotildes Palonpon, Jun Ando, Katsumasa Fujita, Satoshi Kawata, and Mikiko Sodeoka. Alkyne-tag Raman imaging for visualization of mobile small molecules in live cells. J. Am. Chem. Soc., 134, 20681-20689 (2012).

http://www.rikenresearch.riken.jp/jpn/hom/6278
http://www.riken.jp/r-world/info/release/news/2011/jun/spo_01.html
http://www.rikenresearch.riken.jp/jpn/research/6619

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