美濃島知的光シンセサイザプロジェクト

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研究総括 美濃島 薫

研究総括 美濃島 薫
(電気通信大学 情報理工学研究科 教授)
研究期間 2013年10月~2019年3月

誕生から50年余りを迎えたレーザーは、発明された当初では予測もつかない応用分野を次々に生み出し、社会に大きな変革をもたらしてきました。レーザーを中心とした光学技術の進歩により21世紀は光の時代であると言われるまでになっていますが、現在の情報化社会は光技術無しでは存在しえないといっても過言ではありません。実際、インターネットの普及により情報の圧倒的な流通が一般的になりましたが、これは半導体レーザーやフォトダイオード、光ファイバなどの光デバイスの発明を源流とする光ファイバ通信の発展によるところが大きいでしょう。しかしながら、ここでは光は主として情報の媒体に留まり、光波の持つポテンシャルは使い切れていないと言えます。
光波の持つ位相情報や周波数情報を余すことなく利用できれば、圧倒的なダイナミックレンジを持つ情報をそのまま利用できるようになり、光は単なる情報伝達媒体でなく、真にインテリジェントな主役、すなわち対象の計測、処理、伝達から信号解析や情報処理、そしてユーザの利用までを扱う主体になることができます。例えば、産業計測や構造物の安全計測において、光による欠陥・変形などのその場検出を行い、該当の画像のみを高速で伝送し、結果に対応して光で加工・修復を行うなど、一連の作業を高速かつ知的に実現することが考えられます。このように光が主役になり、医療、環境、エネルギー、安全・安心、材料、製造等の様々な産業・社会に対し日常的に恩恵がもたらされるでしょう。
このような背景のもと、本研究領域では周波数軸上においてスペクトル強度が櫛状に精密かつ等間隔に並んだ先端光源「光コム」を、エレクトロニクスと光技術との融合により、基盤的かつ革新的な「知的光シンセサイザ」へと進化させます。これによって、光波の時間、空間、周波数、位相、強度、偏光などの全てのパラメータを自在に操作でき、様々な応用に使えるところまで進化している知的光源を開発し、その未踏な応用分野を開拓することを目標とします。
このような知的光源ができると、一例として、将来の天文観測において遠くの天体の赤方偏移を精密に長期間観測して、宇宙が減速膨張しているか加速膨張しているかを見極める観測的宇宙論の分野での利用が考えられます。具体的には、分光計で分解可能な程度の広い間隔で整列する多数の周波数基準となり、同時に何年にもわたりメンテナンスフリーな光源技術を、知的光シンセサイザの高精度でかつ高安定な特性に基づき実現することを目指します。また、知的光シンセサイザによる周波数絶対値がわかるTHz狭線幅光源を提供することにより、高分解、高確度、広帯域なTHz分光法を確立し、高精度ガスTHz分光分析の実現も目指します。

 

研究グループ

・知的時空間統合化グループ

・周波数極限化グループ

・テラヘルツ・広帯域スペクトル操作グループ

 

プロジェクトヘッドクオーター

〒182-8585
東京都調布市調布ヶ丘1-5-1 電気通信大学 東6-324

研究推進主任:大平 博之
研究推進員:
植木 薫

TEL:042-443-5565
FAX:042-443-5565