西澤テラヘルツプロジェクト

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総括責任者 西澤 潤一
(東北大学 学長)
研究期間 1987年10月~1992年9月

「電波」と「光」の中間に位置するテラヘルツ(一兆ヘルツ)領域では、半導体素子構造は分子・原子レベルの単位の微細化が要求されます。このため、電子の平均自由行程よりも小さな半導体結晶中の電子の挙動、光と格子振動の相互作用や量子効果についての解析およびそれらの制御方法の検討を行いました。
研究では、光励起分子層エピタキシャル成長技術などにより、理想型静電誘導トランジスタ(ISIT)やタンネットダイオードの試作を行いました。またGaP半導体ラマンレーザで300mWという超低しきい値発振の実現と、これらによる光ヘテロダイン復調実験にも成功しました。さらに、1.4THzで500V/Wの検出感度のショットキー・ダイオード等のテラヘルツ帯回路素子や広帯域光ファイバー通信の実現の手掛かりを得ました。

成果

金属膜の分子層堆積を実現

光励分子層エピタキシャル成長法を発展させ、180℃以下の低温で、GaAs結晶上に数Åの厚さの均一なAl膜を形成することに成功した。

メソスコピックSITの試作

GaAs理想型SITでは、1ゲート当たり60ピコ秒、1フェムトジュールという世界最小の消費エネルギーを確認した。さらに、サブピコ秒の動作実現のため検討を行った。

タンネットダイオードの試作

トンネル領域幅 50~100Å,走行領域幅380~1500Åのタンネットダイオードを試作し、準光学的手法を用いた周波数測定により、高周波で約0.9THzの発振特性を確認した。

高速光変調器の試作

LiNbO3結晶を用いた速度整合進行波型高速光変調器を試作し、20GHz程度までの基礎特性を確認した。また、高周波を用いた帯域制限の克服についても手がかりを得た。

 

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▲各種ICのスイッチング遅延時間と消費電力

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▲半導体デバイスの出力と周波数

研究成果