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ATP合成酵素
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内容
 FoF1-ATP合成酵素は細胞内のATPのほとんどを合成するのに使われています。その際、回転という力学的エネルギーを介して、化学ポテンシャル-電気化学的ポテンシャル間のエネルギー変換をするという、興味深い特徴を持っています。ATP合成酵素グループでは、 たんぱく質一分子観察技術、生化学的解析技術を用いて、この回転モーターの回転トルク発生メカニズムやエネルギー変換機構の解明を行います。



構成
グループリーダ 鈴木 俊治
研究員 カハル プリハルディ(インドネシア)
三留 規誉
ボリス フェニオク(ロシア)
   
研究実施場所 〒226-8503
横浜市長津田町4259東京工業大学 総合研究館別館
TEL: 045-924-5891/045-922-5238
FAX: 045-922-5239



成果
 一分子及び生化学的解析技術を用いて、F1-ATPaseの酵素反応の各素過程がどのように回転に結びついているかを調べた(1,3,4,6-8)。まず,F1-ATPaseにはADP阻害型と呼ばれる回転の休止状態があることが明らかになった(1)。次に,1分子内に異なった サブユニットを導入するハイブリッド法の実験から,F1-ATPaseの サブユニットは順序良くATPの結合順番を守ることが分かった(4)。さらに,ATPの加水分解が遅くなった変異体の解析から,ATPの加水分解がcatalytic dwellと呼ばれる回転の待ち時間で起こっていることが明らかになった(6)。また生化学的に、リン酸の解離を調べることができるF1-ATPaseを作成し,リン酸解離に伴いF1-ATPaseが構造変化する可能性を示すことができた(4)。このほかにも,高度な1分子観察,あるいは1分子操作の技術を駆使して,F1-ATPaseの回転機構について踏み込んだ議論を報告することもできた(7,8)。生化学的解析により、εサブユニットによるATP合成酵素の調節機構(5)、FoはH+輸送することにより回転するモーターであること(2)、Fo-bサブユニットはFoモーターのアンカーレールとしての機能すること(9)、Fo-cリングは10量体であることを明らかにした(10)。(7)は岡崎国立共同研究機構、(8)は学習院大学との共同研究。

1. Hirono-Hara, Y. et al (2001) Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 98, 13649-13654.
2. Suzuki, T. et al. (2002) J. Biol. Chem., 277, 13281-13285.
3. Masaike, T. et al. (2002) J.Biol.Chem. 277, 21643-21649.
4. Ariga, T. et al. (2002) J. Biol. Chem., 277, 24870-24874.
5. Suzuki, T. et al. (2003) J. Biol. Chem., 278, 46840-46846.
6. Shimabukuro, K. et al. (2003) Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 100, 14731-14736.
7. Itoh, H. et al. (2003) Nature, 427, 465-468.
8. Nishizaka, T. et al. (2003) Nat. Struct. Mol. Biol., 11, 142-148.
9. Ono, S. et al. (2004) J. Biol. Chem., 279, 33409-33412.
10. Mitome, N. et al. (2004) Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 101,12159-12164


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