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研究成果集

BaTiO3ナノ粒子の化学合成とその結晶構造

ー新しい物性を目指してー

研究成果の概要

  チタン酸バリウムは結晶粒径の減少と共に正方晶(強誘電相)から立方晶(常誘電相)へ相転移すると報告されている.さらに,有機金属を原料として作製した超微粒子チタン酸バリウムは1460oC以上でしか存在しない六方晶相が室温で現れると言われている.このサイズ効果による相転移は粒子の表面エネルギー効果と思われている.錯体重合法によって合成したBaTiO3微粒子をX線回折,ラマン散乱,高分解能透過型電子顕微鏡法,XPSを用いて,総合的な分析方法によるそのサイズ効果を明らかにし、超微粒子チタン酸バリウムから新しい光物性を取り出すことに成功した.
 超微粒子チタン酸バリウムは,バリウムとチタンとのクエン酸錯体とエチレングリコールとの間のエステル反応によって得られる有機前駆体を熱処理して作製した.
600oCで有機前駆体を熱処理して得られた超微粒子チタン酸バリウムの粒径は20 nmであり,X線回折では立方晶の結晶構造を持っていることがわかった.しかし,チタン酸バリウムの相転移でもっとも重要である酸素変位に敏感なラマン散乱では従来の研究報告よりはるかに小さい粒径でもまだ強誘電相の正方晶の結晶構造が維持できることがわかった (図1).500oCで有機前駆体を熱処理して得られた超微粒子チタン酸バリウムの粒径は20 nmであり,X線回折,ラマン散乱,電子線回折法では高温相の六方晶相が室温でも存在することがわかった.しかし,高分解能透過型電子顕微鏡法を用いて,この六方晶の存在は (111)ナノ双晶によることを明らかにした (図3).双晶を含んでいる超微粒子BaTiO3は触媒と発光特性を示した(図4).(図2

報告書等
  1. Cho, W.-S.; Hamada, E.; Takayanagi, K.; Stacking faults in BaTiO3 particles synthesized from organic precursor. J. Appl. Phys. 81, 1997, 3000-3002.
  2. Hamada, E.; Cho, W.-S.; Takayanagi, K.; Nanotwins in BaTiO3. Phil. Mag. A. 77, 1998, 1301-1308.
 

研究者名 Woo-Seok CHO、浜田悦男




図1.図1.600oで熱処理して得られたナノ粒子のTEM写真とRaman:
平均粒径は20nmであり,この微粒子からも正方晶の特徴である303cm-1のRaman peakが見られた.



図2.500oCで熱処理して得られたナノ粒子のTEM写真とSAD pattern:
平均粒径は20nmであり,六方晶の特徴であるd=0.34nmと0.22nmの位置に強度の弱い回折リングが見られた.



図3.500oCで熱処理して得られたナノ粒子の高分解能TEM写真と正方晶,六方晶の積層:
この粒子は多数の(111)双晶を持ち,しばしば3から5原子層のラメラを形成していた。これらのナノ双晶の生成元はチタンの還元であることがXPSの結果からわかった.双晶状の構造は六方晶のCAC型積層部分に類似している.



図4.500oCで熱処理して得られたナノ粒子の発光と触媒特性:
液体窒素温度で280nm程度の紫外線を照射すると,520nmの発光が観察された.なお,紫外線の照射下でメタノール水溶液から水素が発生する光触媒特性も示した.



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