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新海包接認識プロジェクト
総括責任者 新海 征治
(九州大学工学部 教授)
研究期間 1990年10月〜1995年9月
 
研究成果の概要
 生体の認識系に比肩できるような人工的な認識システムを構築することにより、物質が物質を識別するメカニズムを解明することを目指しました。
 そのツールとして環状化合物“カリックスアレーン”を利用した研究により、特定の金属や分子に対する高選択的・高効率の包接認識メカニズムが明らかにされ、その成果は、例えば高精度Naセンサーやフラーレン精製法などの創製に寄与しました。
 また、各種のフェニルボロン酸化合物を利用して、従来より困難であった糖質の認識機構の解明にも挑戦し、特定の糖、あるいはその光学異性体も識別しそれを読み出すことのできる全く新しい糖質識別システムを創り出しました。
 この成果は、複雑な生体系の探究に大きな手がかりを与えるものと期待されます。

成果
カリックスアレーンを用いるフラーレンの精製
 カリックスアレーンの分子包接機能を利用してC60、C70などを含有するフラーレン混合物から特定溶媒中でサッカーボール状分子C60のみを分離、精製する方法を確立した。

希土類金属錯体を利用する発光素子
 カリックスアレーンの金属包接機能に基づき、希土類金属カリックスアレーン錯体から成る極めて高い発光量子収率の発光系を創り出した。

ボロン酸誘導体を利用する糖の認識
 フェニルボロン酸化合物を用いて糖の認識を各種のぶつり的手段で読み出す系、例えば、糖の光学異性体を識別し蛍光変化として読み出すことのできる化合物などを見出した。

気相包接現象の解明
 質量分析計を利用する気相状態における包接現象を探究することにより、”カチオン−π”相互作用など認識過程で重要な微弱相互作用に関する貴重な知見が得られた。

高性能ナトリウムイオンセンサー
 カリウムイオンに対するナトリウムイオン選択性がこれまで知られていた世界最高精度よりも更に2桁高いカリックスアレーン誘導体の設計・合成に成功した。

分子集合体の構造評価
 カリックスアレーンやコレステロールを単分子膜・液晶・ゲル等に集積機能化した分子集合体の性状評価から、分子集合化を支配する分子間相互作用に関する多くの知見を得た。

graph1
▲液晶の色変化を利用する糖の識別

graph2
▲カリックスアレーンに包接されたサッカーボール分子C60

 
研究成果
一般の方向け
研究成果ビデオ
成果の概要
研究成果集


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