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研究成果集

小脳に獲得される道具の内部モデル

外界の操作対象物の内部モデルが,人間の小脳に学習によって獲得される様子を脳機能画像で解明.

研究成果の概要


人間は多くの道具を身体の延長のように自在に使いこなすことができる.本研究では,そのような道具の使用を可能にした脳のメカニズムを,機能的核磁気共鳴画像装置(fMRI: functional Magnetic Resonance Imaging)を用いて明らかにした.人間が新しい道具の使い方を学習しているときの小脳活動をfMRIで撮像すると,道具が上手に使えるようになるにつれて広い範囲で血流量が下がり,最終的には小脳の狭い範囲に活動が限定されることを発見した(図1).この結果は,誤差の情報が広い範囲に入力されることで学習が進行し,小脳の一部分に操作対象物の入出力特性を反映する内部モデルが獲得されることを示唆している.さらに,異なる道具の内部モデルが,小脳の異なる場所に獲得される様子を捉え(図2),内部モデルがモジュール的に構成されていることを確認した.これらの結果は,小脳に多重の内部モデルが獲得されるという計算理論の妥当性を示している.

成果展開可能なシーズ、用途等



1. 高次脳機能・人間知性の解明
2. 使いやすいヒューマンインターフェィスの開発

特許出願

なし

報告書他

1. Imamizu, H., Miyauchi, S., Tamada, T., Sasaki, Y., Takino, R., Puetz, B., Yoshioka, T., and Kawato, M. (2000) Human cerebellar activity reflecting an acquired internal model of a novel tool. Nature, 403, 192-195.
2. Tamada, T., Miyauchi, S., Imamizu, H., Yoshioka, T., and Kawato, M. (1999) Cerebro-cerebellar functional connectivity revealed by the laterality index in tool-use learning. NeuroReport, 10, 325-331.
3. 今水寛,宮内哲,玉田朋枝,川人光男 (2000) 道具使用の学習と小脳. 神経研究の進歩, 44, 760-769
4. Imamizu, H., Miyauchi, S., Tamada, T., Yoshioka, T., Kawato, M. (1999) Cerebellar activity related to acquision of internal models of a novel tool: Implications from an fMRI study on human subjects using a computer mouse for the first time. 29th Annual Meeting Society for Neuroscience, Miami, Florida, 101.
5. Imamizu, H., Miyauchi, S., Tamada, T., Sasaki, Y., Takino, R., Puetz, B., Yoshika, T., Kawato, M. (1998) Multiple representations for visuomotr learning in the cerebellum: A functional MRI study. 4th International Conference on Functional Mapping of Human Brain, Montreal, Canada, S819.
6. Imamizu, H., Miyauchi, S., Tamada, T., Sasaki, Y., Takino, R., Puetz, B., Yoshika, T., Kawato, M. (1998) Modular organization of multiple internal models for visuomotor learning: a functional MRI study. 28th Annual Meeting, Society for Neuroscience, Los Angels, 166.
7. Imamizu, H., Miyauchi, S., Sasaki, Y., Takino, R., Puetz, B., and Kawato, M. (1997) Cerebellar activities related to acquisition of the internal models for a new tool . 27th Annual Meeting, Society for Neuroscience, New Orleans, USA, 1053.
8. Imamizu, H., Miyauchi, S., Sasaki, Y., Takino, R., Puetz, B., and Kawato, M. (1997) Cerebellar activities related to acquisition of the internal models for a new tool . Minnesota Conference on Vision for Reaching and Grasping, Minnesota, 27.
9. Imamizu, H., Miyauchi, S., Sasaki, Y., Takino, R., Puetz, B., and Kawato, M. (1997) Separated modules for visuomotor control and learning in the cerebellum: A functional MRI study. 3rd International Conference for Mapping of the Human Brain, Copenhagen, Denmark, s598.
10. 今水寛,宮内哲,玉田朋枝,吉岡利福,川人光男 (1999) 計算理論とfMRI. 第29回日本脳波筋電図学会学術大会, 日本大学医学部, 予稿集159.
11. 今水寛,宮内哲,玉田朋枝,吉岡利福,川人光男 (1999) 小脳外側部に獲得される新奇な道具の内部モデル. 第22回日本神経科学大会, 大阪, 抄録集 160.
12. 今水寛、宮内哲、玉田朋枝、佐々木由香、多喜乃亮介、Benno Puetz、吉岡利福、川人光男 (1998) 小脳に構成される多重内部モデル:fMRIによる計測. 第21回日本神経科学、第41回神経化学合同大会, 東京.
13. 今水寛、宮内哲、玉田朋枝、佐々木由香、多喜乃亮介、Benno Puetz、吉岡利福、川人光男 (1998) 小脳に構成される視覚運動学習の内部モデル:fMRIによる計測. 第21回日本神経科学、第41回神経化学合同大会, 東京, 216.
14. 今水寛、宮内哲、玉田朋枝、佐々木由香、多喜乃亮介、ベノプッツ、吉岡利福、川人光男 (1998) 道具使用の習熟と小脳活動の関係. 文部省重点領域研究運動行動班会議, 東京.
15. 今水寛、宮内哲、玉田朋枝、佐々木由香、多喜乃亮介、Benno Puetz、吉岡利福、川人光男 (1998) 小脳に構成される視覚運動学習の内部モデル:fMRIによる計測. 文部省特定領域研究「高次脳機能のシステム的理解」第3回夏のワークショップ[DECISION MAKING], 富士吉田, 9.
16. 今水寛、宮内哲、佐々木由香、多喜乃亮介、Benno Puetz、川人光男 (1997) 視覚運動学習時の小脳活動:fMRIによる計測. 第20回日本神経科学大会, 仙台, 125.

〔研究者名〕今水寛,黒田朋枝,吉岡利福,ベノプッツ





図1:赤い領域は,学習とともに行動誤差か少なくなるに連れて,活動が急激に減少した領域.オレンジと青(左上の数点)の領域は,学習後,誤差を統制しても活動が残った領域.下のグラフは,それぞれの領域で,トレーニング中に活動がどのように変化したかを示す.オレンジの曲線から赤い曲線を差し引くことで,獲得された内部モデルの活動が上昇している様子がわかる(水色の曲線)





図2:2種類の異なる道具(回転変換コンピュータマウス,速度制御マウス)を使う時の小脳活動の違い.
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