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研究成果集

メタン生成細菌

新規高度好塩性、好アルカリ性メタン生成細菌および高速メタン発酵法

研究成果の概要

従来、分離が極めて困難であった特殊環境メタン生成細菌の高効率分離手法を開発した。同法を用い、広く国内外サンプルを対象にスクリーニングを実施した結果、多数の好塩性、好アルカリ性、好熱性、耐低温性、重金属耐性等の特殊環境メタン生成細菌の分離に成功した。
これらの分離菌の中で特に、米国西部高塩環境から分離されたものは新属新種の高度好塩性メタン生成細菌、日本の東北地方湖沼底泥から分離されたものは新種の好アルカリ性メタン生成細菌と同定された。さらに、メタン生成のための複数基質を資化可能で、かつ基質間で資化速度が異なるメタン生成細菌に関する高速メタン発酵法を開発した。
今後、これらの特殊環境メタン生成細菌を利用することで、エネルギー回収型の廃棄物・廃水処理法として用いられているメタン発酵法の従来技術の飛躍的革新が期待されると共に、遺伝子工学的育種への応用等が期待される。(写真1)、(写真2)

  1. 新菌株(高度好塩性細菌)・・・新属・新種
    メタノサリナリウム・フラジェルムNY-218(FERM BP-2079)
    生育至適NaCl濃度:2.5〜3.0M
    生育至適pH:8.0〜8.5、生育至適温度:35〜37DEG C
    メタン生成活性:15〜45DEG C
    資化基質:メタノール、メチルアミン
    ・同菌は高度好塩性、好アルカリ性を併せ持つとともに15〜20DEG Cの低温においてもメタン生成活性を維持する耐低温性でもある。

  2. 新菌株(好アルカリ性)・・・メタノサルシナ属
    メタノサルシナ・アルカリフィラNY-728(FERM BP-2309)
    生育至適pH:8.1〜8.7、生育至適温度:34〜42DEG C
    メタン生成活性:15〜45DEG C
    資化基質:H2/C02、酢酸、メタノール、メチルアミン
    ・同菌は好アルカリ性であるとともに15〜20DEG Cの低温においてもメタン生成活性を維持する耐低温度の菌である。
成果展開可能なシーズ、用途等
  1. メタン発酵の応用分野拡大(低温・常温メタン発酵、海洋バイオマス等の有効利用)
  2. 既存システムの高塩濃度阻害、高pH阻害対策
  3. メタン発酵用リアクターのコンパクト化
  4. 特殊環境性を支配する遺伝子の供給源
特許出願
  1. 高度好塩性メタン生成細菌
    特   願:昭62-255995(昭62.10.9) 特開平1-98474(平1.4.17)
    出 願 人:新技術事業団、中津川直樹、掘越弘毅
    請求の概要:高度好塩性メタン生成細菌、メタノサリナリウム・フラジェルム
  2. 好アルカリ性メタン生成細菌
    特   願:昭63-053294(昭63.3.7) 特開平1-225480(平1.9.8)
    出 願 人:新技術事業団、中津川直樹、掘越弘毅
    請求の概要:生育至適pH8.1〜8.7を有するメタノサルシナ・アルカリフィラ
  3. 高速メタン発酵法
    特   願:昭63-053295(昭63.3.7) 特開平1-228600(平1.9.12)
    出 願 人:新技術事業団、中津川直樹、掘越弘毅
    請求の概要:複数の基質を資化でき、基質間で資化速度に差異があるメタン生成細菌を用い、資化速度の遅い基質を発酵の主な対象とするメタン発酵法において、前記の資化速度の遅い基質とそれよりも資化速度の速い基質を用いることで、短時間に高菌体濃度を実現する高速メタン発酵法。

《外国出願》

  1. Extremely Halophilic Methanogenic Archaebacteria
    米国出願 255,015(10.7'88),EPC(英、仏、西独)出願
    国内出願 昭62-255995に同じ

  2. Alkalophilic methanogen and fast methane fermentation method
    米国出願 318,907 (3.6'89), EPC(英、仏、西独、スイス)出願
    国内出願 昭63-053294、昭63-053295 に同じ

報告書他

  1. 中津川直樹:掘越特殊環境微生物プロジェクト研究概要集 p.333(平成元年9月)
    新技術事業団
  2. 中津川直樹:昭和62年度日本醗酵工学会大会発表(昭和62年11月)
    「新規高度好塩性メタン生成細菌の探索と分離」
  3. 中津川直樹:日本農芸化学会 昭和63年度大会発表(昭和63年4月)
    「新規な好塩性・好アルカリ性メタン生成細菌の諸性質」
    「新規な好アルカリ性メタン生成細菌の探索と分離」
  4. 中津川直樹:化学工業会 第211回秋季大会シンポジウム
    「新規な好アルカリ性メタン生成細菌(Strain NY-728)の培養特性」
〔研究者名〕中津川直樹、掘越弘毅

写真1:高度好塩性メタン生成細菌の電子顕微鏡写真

写真2:好アルカリ性メタン生成細菌の蛍光顕微鏡写真


 
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