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早石生物情報伝達プロジェクト
総括責任者 早石 修
((財)大阪バイオサイエンス研究 所長)
研究期間 1983年10月〜1988年9月
 
研究成果の概要
 細胞間の情報伝達が行われる細胞膜から生成されるプロスタグランジン(PG)等の酸性脂溶性物質の中枢神経系における作用の解明を目指しました。
 研究により、PGD2が自然な眠りを引き起こすこと、また、PGE2が覚醒を促すことを発見し、睡眠の機構解明に糸口を与えました。PGの微量定量法の開発、PGD合成酵素やPG受容体の脳内分布・PGF合成酵素の構造と機能の解明・脳内PGの無侵襲的検索法の確立等を行いました。一方、うつ病患者中のPGが健康者より多いこと、PGをメチルエステル化すると脳内に移行し易いこと、PGに眼圧低下作用があること等を見い出し、今後、医療分野、医薬品分野でPGを利用するための基礎となる知見を得ました。

成果
プロスタグランジンの睡眠調節作用を発見
 PGD2が自然な睡眠を促進し、PGE2が覚醍を促すことを発見した。

プロスタグランジンによる神経細胞の分化促進作用を発見
 プロスタグランジンが神経細胞の突起を伸長させる他情報伝達物質の合成や分解を行う酵素の活性を高める等神経細胞としての機能の発現を促すことを見出した。

脳内プロスタグランジンの受容体分布
 オートラジオグラフィー・画像解析法により、PGD2・E2・Fのそれぞれに特異的な受容体が脳内の異なった部位に局在することを発見すると共に定量法を確立した。

プロスタグランジンの超微量定量法の確立
 PGD2, PGE2及び PG 類緑体の固相エンザイムイムノアッセイによる超微量定量を確立した。

脳の発育・老化とプロスタグランジンの関係
 ラットでは幼若期に PG の合成系が最も活発となり、また老齢期には PG の合成・分解能力には変化がないものの、PG 受容体が激減することを発見した。

プロスタグランジンの眼圧調節作用を発見
 PGD2が眼圧を低下させることを発見した。緑内症の治療への応用が期待される。

graph1
▲覚醒時のサル             ▲PGD2の投与により眠るサル
脂溶性物質であるPGD2が脳内に存在し、強い睡眠作用を起こしていることを発見。

graph3
▲PGD2蕷GE2蕷GF2αのそれぞれに特異的な受容体が脳内の異なった部位に存在することを発見すると共に定量法を確立。

graph4
▲PGD合成酵素が加令に伴い分布や存在量が変化することを発見。(ラット脳)

 
研究成果
一般の方向け
研究成果ビデオ
成果の概要
研究成果集


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