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研究成果集

土居プロジェクト

目次

  1. マウス初期発生段階特異的に発現する遺伝子の同定
  2. Magoh?ショウジョウバエ胚極性形成に必要なmago nashiの マウス相同遺伝子?の初期胚発生過程での発現
  3. 出芽酵母の老化に伴う遺伝子発現の非対称な分配-DNA Microarrayを用いた発現プロファイリングからの解析
  4. 「珍しさ度数」による蛋白質の分子改良
  5. M. genitalium と M. pneumoniae のプロテオームにおけるオリゴペプチドの頻度解析
  6. 非対称分裂に関与する線虫C3H遺伝子群の新たな機能
  7. 線虫発生の顕微鏡画像処理技術の開発
  8. In situ hybrid形成による発現地図
    細胞分裂の対称性と非対称性のメカニズムを知るために
  9. 分裂酵母の挿入突然変異法の確立と有性生殖に関わる新規遺伝子の解析
  10. エイズウイルス逆転写酵素の鎖特異的なDNA 認識
  11. DNA/RNA結合蛋白質の非対称な核酸認識機構の解析

成果の概要

1.マウス初期発生段階特異的に発現する遺伝子の同定
 マウスの初期発生で発現している約25000個のcDNAの塩基配列(部分)を決定し、胚の体軸形成に関与すると考えられる遺伝子や多数の新規遺伝子を見い出した。

2.Magoh? ショウジョウバエ胚極性形成に必要なmago nashiの マウス相同遺伝子?の初期胚発生過程での発現
 magoはショウジョウバエ胚極性形成に必要で、進化上その配列は非常によく保存されている。ほ乳類初期発生過程での極性とMagohの機能を解析するため、マウス初期胚発生過程での発現パターンを調べた。

3.出芽酵母の老化に伴う遺伝子発現の非対称な分配-DNA Microarrayを用いた発現プロファイリングからの解析
 非対称分裂をする出芽酵母を用いて分裂回数の異なる細胞間で変動するmRNAをDNAマイクロアレイ法を用いて同定した。同方法を支援、解析するソフトウエアを開発した。

4.「珍しさ度数」による蛋白質の分子改良
 ゲノム情報のアミノ酸配列をオリゴペプチドの集合として捉え、頻度解析することにより、「珍しさ度数」と命名した蛋白質の機能に関わる新たな指標を提唱した。また、具体的にDNA合成酵素をモデルとして分子改良を行った。

5.M. genitalium と M. pneumoniae のプロテオームにおけるオリゴペプチドの頻度解析
 近縁な生物種であるM. genitaliumとM. pneumoniaeのプロテオームにおけるオリゴペプチドの出現頻度を比較解析し、それぞれの種にのみ出現する特徴的なpentapeptidesを見いだした。これらの種特異的なpentapeptidesの多くは、細胞接着・膜タンパク質系に集中して出現していることが分かった。

6.非対称分裂に関与する線虫C3H遺伝子群の新たな機能
 線虫ゲノム配列をもとに、総数17種の全長C3H type zinc-finger遺伝子をRT-PCR法により単離した。これら遺伝子群の中から多重RNAi (RNA interference )法により、著しく産卵数が減少し、卵巣が肥大した表現型を示す一群を同定した。

7.線虫発生の顕微鏡画像処理技術の開発
 動物の初期発生においては非対称な分裂を繰り返して適切な細胞が適切な場所にくるように制御されている。細胞が透明で細胞系譜が既に解明されている線虫Caenorhabditis elegans を材料に、この過程において細胞間の隣接関係がどのように変化しているか観察するために必要な基盤技術の開発を行った。

8.In situ hybrid 形成による発現地図 --細胞分裂の対称性と非対称性のメカニズムを知るために
 精原細胞が精子に分化する際にどのような遺伝子が関与しているのかを高速 In situ hybrid 形成法を用いて検討した。その結果、約600種類の遺伝子の時間的空間的の発現を明らかにした。またこれら発現情報を必要に応じて抽出できるように発現データベースを構築した。

9.分裂酵母の挿入突然変異法の確立と有性生殖に関わる新規遺伝子の解析
 分裂酵母では様々な突然変異体が単離されているが、その原因遺伝子の同定、単離には多大な時間を要する。そこで、変異原因遺伝子を容易に同定するために挿入突然変異法の確立を行った。本法を用いることで、分裂酵母の有性生殖に欠損のある挿入突然変異体を多数単離し、その原因遺伝子を同定した。

10.エイズウイルス逆転写酵素の鎖特異的なDNA 認識
 エイズウイルスの逆転写酵素はウイルスゲノム一本鎖RNAから二本鎖のDNAを生成する。ゲノム複製における複製開始領域の配列(PPT)と逆転写酵素との結合親和性は結合の方向において非対称を示した。また、複製の伸張反応においても同じ方向特異性を示したことより、DNA合成の変異率あるいは変異の入り方がDNA二本鎖間で非対称を示すことが示唆された。

11.DNA/RNA結合蛋白質の非対称な核酸認識機構の解析
 超好熱性古細菌のDNA複製酵素やヘリカーゼを用いて核酸との非対称な結合様式を解析した。古細菌、線虫でアミノ酸組成に偏りのある新規のRNA結合蛋白質を見い出した。

終了プロジェクトの概要

土居バイオアシンメトリ
 土居洋文 (セレスター・レキシコ・サイエンシズ株式会社 代表取締役社長)
 1995・2000

研究成果の概要

生命における非対称性を指標にして、様々な生物種で、各種の生命現象を解析しました。具体的には、マウスの初期発生で発現している約25000個のcDNAの部分塩基配列を決定し、胚の体軸形成に関与すると考えられる遺伝子や多数の新規遺伝子を見い出し、一部の遺伝子は染色体上の位置を決定しました。また、非対称分裂をする出芽酵母を用いて、酵母の老化過程で変動するmRNAをDNAマイクロアレイ法を用いて同定し、同方法を支援、解析するソフトウエアを独自に開発いたしました。さらに、古細菌、線虫、分裂酵母を用いて、非対称分裂や非対称分配などに関わる新規遺伝子を見い出しました。
 また、ゲノム情報のもつノンランダム性に基盤をおいた新しい理論を構築しました。これらの成果はポストゲノム時代を担う新しい考え方を提示するものと思われます。

構成
総括責任者 :土居洋文((株)セレスター・レキシコ・サイエンシズ 代表取締役社長)
研究顧問  :大野 乾 (故人)
技術参事  :金井昭夫
技術参事補 :小合宗一
事務参事 :長松谷孝昭
事務員 :松本嘉子

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