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伊藤 幸成 ITO Yukishige

研究総括

              

自己紹介
 そもそも大学に入るまでは化学、特に有機化学に興味がわかず(ただし模試ではなぜか得点源でした)、生物がかったことは更に大嫌い(こちらは漢文と同じくらい苦手)でした。一応薬学部の卒業ですが(ちなみに薬剤師の資格は持っていません)、多分、学部に進学した時点でDNAが四種の塩基からなることを知らなかった唯一の存在だったと思います。話し出すとキリがありませんが、色々な挫折と気まぐれとの結果、今のような仕事をしています。糖鎖科学との出会いは、小川智也先生に理研の研究員として採用していただいた1984年に遡りますが、これが研究人生の中で大きな転機になったと思っています。
 自己分析すると極端な「草食系」人間で、競争を避けようとする、貪欲さに欠ける、徒党を組むのが苦手、その辺りが研究者としての(多分どの世界に行っても)弱点だと感じています。これはともすれば「妙にカッコつけている」と誤解される原因でもあります。そういえば理研のあるエライ方に「君は何か可愛げがないんだよね〜」と、言われたことがあります。
 苦手なものは根性と気合いに代表される「アツクルシイ」もの全般、好きなものは考えに浸れる静かな時間です。数年前まで「趣味は?」と聞かれたら「実験」と答えることにしていましたが、実験をする時間がなくなって、まったくの無趣味人間になってしまいました。このままでは定年後が思いやられます。強いて言えば阪神タイガースの応援と音楽(クラシックロックやジャズからJポップまで、ごくまれにクラシック、ただし音楽マニアではありません)を聞きながらの読書を気分転換にしています。
 さて、少し真面目に仕事の話をすると、有機化学と糖鎖生物学の融合により、世界をリードする成果が生まれるものと信じて研究を行っています。しかし、有機化学の中で、不斉合成とか金属を使った有機合成とか天然物化学とか自己組織化分子とか、いかにも「それっぽい」分野と比べると糖はマイナーな研究対象と考えられがちです。そのような環境で、どうすれば糖質化学の存在感を高められるか、思案中です。一方、「糖質化学=糖鎖生物学に貢献するための化学」という風潮が定着しつつあるのも憂慮しています。有機化学の歴史の中で、Emil Fischerによる糖の構造決定は一大金字塔ですが、その栄光を再び取り戻したいものです。個人的には、上品で美しくなおかつインパクトのある、スローバラードのような仕事をするのが永遠の夢です。


学 歴
1961年4月 香川県仲多度郡琴平町立琴平小学校入学
1967年3月 神戸市立宮川小学校卒業
1970年3月 神戸市立西代中学校卒業
1973年3月 私立灘高等学校卒業
1973年4月  東京大学理科T類入学
1977年3月  東京大学薬学部卒業 
1979年3月  東京大学大学院薬学系研究科製薬化学専門課程修士課程修了 
1982年3月  東京大学大学院薬学系研究科製薬化学専門課程博士課程修了
(指導教官 大野雅二 教授)「酵素化学的アプローチによる光学活性ヌクレオシドの合成」 
職 歴
1982年4月 Postdoctoral Research Associate, Massachusetts Institute of Technology, USA
(Research Advisor: Prof. Satoru Masamune) ポリエンマクロリドおよびC-グリコシドの合成研究
1984年4月 理化学研究所 研究員
(研究指導者:細胞制御化学研究室 小川 智也 主任研究員)
1996年8月  同上 副主任研究員(同上) 
1998年12月 同上 主任研究員(細胞制御化学研究室) 
2008年4月  理化学研究所・基幹研究所 主任研究員(伊藤細胞制御化学研究室) 
2009年10月 科学技術振興機構 ERATO「グライコトリロジー」研究総括(兼務) 
(この間
1991年1月〜1993年3月 
CYTEL Corporation 及びScripps 研究所, San Diego, CA, USA
(Host: Prof. James C. Paulson) 酵素的グリコシル化による複合糖質の合成研究に従事 

受賞など
1993年3月 日本農芸化学奨励賞(日本農芸化学会)「複合糖質の合成化学的および酵素化学的研究」
2008年7月 Roy L. Whistler International Award in Carbohydrate Chemistry
(International Carbohydrate Organization)
2010年3月 理化学研究所重要業績表彰 (S)「有機合成化学を基盤とする糖タンパク質の機能解明に向けた研究」
2010年7月  竹田国際貢献賞(竹田理化工業)「糖鎖工学および糖質化学における国際貢献」
2012年2月  日本農芸化学会賞(日本農芸化学会)「糖タンパク質の機能解析をめざす複合科学的研究」 
所属学会
日本農芸化学会
日本薬学会
日本化学会
日本生化学会
日本糖質学会
有機合成化学協会
アメリカ化学会


論文リスト
こちら 

その他事項
  • 科学技術振興機構CREST研究代表者(2003〜2008年)
  • 日本学術振興会 (JSPS)科学研究費補助金 学術創成研究 研究代表者(2005〜2009年)
  • 日本糖質学会 理事(2004年〜2013年)
  • 同上 会長(2013年〜)
  • 日本糖鎖科学コンソーシアム 理事(2005年〜)
  • 25th International Carbohydrate Symposium (ICS 2010) 副組織委員長、事務局長(2010年)
  • 国際糖質機構(International Carbohydrate Organization)日本代表(2006年〜)
  • 同上 会長 (President) (2010年〜2012年)
  • 立教大学理学部 客員教授
  • ACS Chemical Biology誌 Associate Editor (2013年〜)
  • Carbohydrate Research誌 Editorial Board
  • Journal of Carbohydrate Chemistry誌 Editorial Board
  • Chemistry A Euroepan Journal 誌 Editorial Editor (2014年〜)





  • 生年 : 1954年
  • 出身地 : 兵庫県
  • 家族構成 : 妻、長男、次男

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