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加藤たん白生態プロジェクト中間評価報告書
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1. 研究の進捗状況と今後の見込み
 本プロジェクトは、細胞を蛋白質を主役とする生態系(蛋白質ネットワーク)と見なし、cDNA解析を通して未知のネットワーク構造を解明する、という構想と目標を掲げている。ネットワーク構造解明と方法論開発に力点を置いているが、その中身、着想等については触れられていない。一方、実際に実施されていることは、相模中研で作製したcDNAライブラリーから選んだクローンの中から新規遺伝子を同定し、遺伝子産物のキャラクタリゼーションを行うという内容である。したがって、本プロジェクトが掲げている目標との関連を取り上げると進捗状況を把握することができないので、具体的に行われてきたヒトcDNA 解析について評価することにするが、今後は、研究内容と整合し、進捗状況が把握できるような構想と目標が提示されることを要望したい。
 研究は、相模中研で作製した約2,500種のヒト完全長cDNAバンクから選んだ約200種のクローンの中から、様々なスクリーニング法を適用して新規遺伝子の同定を試み、発見した新規遺伝子については、その産物の機能を他の細胞内物質との相互作用に力点を置いて解析する、という方針で進めている。
 解析するクローンの特色として、細胞の基本的な構造・機能に係わる遺伝子を狙うという目的から、多くの組織で発現し、且つ含有量の高いものを選択している。このようなハウスキーピング遺伝子は同定しやすいので、従来の研究によって詳細に解析されているが、細胞の基本的な構造・機能にはそれぞれ多数の遺伝子が係わっていて未同定のものも存在する。したがってゲノム解析的なアプローチによりそれらを同定しようとするのも、一つの視点ではある。ただし、このような解析によって未同定の遺伝子を捉えることはできても、重要な生物機能に係わるキー遺伝子を発見する確率が極めて低いことを指摘したい。また、得られる知見が相互に関連がなく、枚挙的であるとの批判は免れないであろう。この点については、本研究が機能未知クローンについて様々なスクリーニングを行い、手掛かりが得られたものについて解析する、というアプローチをとっているからと理解される。
2. 研究成果の現状と今後の見込み
 cDNAクローンからコードされる蛋白質の特徴を、配列から推定するとともに、インヴィトロ翻訳、細胞内発現、遺伝子免疫による抗体作製、二次元ゲル電気泳動等の手法を活用して解析した。その結果、多様な新規遺伝子を同定し、現在、遺伝子産物のキャラクタリゼーションを進めている。発見したものには新規なNEDD系蛋白質などが含まれており、得られた成果については一定の評価ができよう。
 cDNA解析によって新規遺伝子を同定するには、解析するクローン数を増やすことと、スクリーニングの手法に特色を出すことが必要である。解析数の問題は、研究チームの規模によって決まるので、方法論に新規性を出すことが極めて重要である。本プロジェクトでもこの問題に相当の力点を置き、新規な着想や様々な工夫を試みている。しかし現在のところ、適用されている手法はいずれも従来のものが主である。残された期間での研究を通じて有用な方法論が開発されることを期待したい。また、高額な研究費で推進されるプロジェクトであるので、質量ともに十分な論文報告を行って成果を公表し、期待に応えることが重要であろう。

This page updated on December 8, 1999
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