ポーランド研究機関訪問レポート 第2回(2022年度)

第2回最優秀賞受賞者 市川 早紀氏よりポーランド渡航レポート

写真:市川 早紀氏
第2回最優秀賞受賞者
市川早紀氏

羽ばたく女性研究者賞では、駐日ポーランド共和国大使館およびポーランド科学アカデミーより、最優秀賞の受賞者に副賞としてポーランドの研究機関等の訪問機会が提供されます。第2回最優秀賞の市川 早紀さんが2023年11月下旬にポーランドを訪問され、レポートを寄せてくれました。

ポーランド訪問で印象に残ったことを教えてください。

この度、第2回羽ばたく女性研究者賞の副賞としてポーランドを訪問する貴重な機会をいただき、実り多い時間を過ごすことができました。

素晴らしい賞を主催し、ポーランド訪問を実現させてくださった国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)と駐日ポーランド共和国大使館の方々、協賛の日本電子株式会社(JEOL)およびポーランド科学アカデミーの皆様、そして後援の文部科学省ならびにポーランド教育科学省に、心より御礼申し上げます。

今回の訪問では、WarsawのThe Nencki Institute of Experimental BiologyとThe International Institute of Molecular and Cell Biology (IIMCB) in Warsaw、そしてPoznańに位置するThe Institute of Bioorganic Chemistry of the Polish Academy of Sciencesの3つの研究機関を訪問しました。このうち、The Nencki Institute of Experimental BiologyとThe Institute of Bioorganic Chemistry of the Polish Academy of Sciencesでは、私のこれまでの研究と今後の研究方向性について講演をさせていただきました。

訪問した各研究機関で、私の専門分野に近い研究者の方のみならず、他の分野の研究者の方々とも刺激的な議論を行うことができました。今回の訪問でお会いした研究者の方々との交流をこれからも続けていきたいと思っております。また、新しくコーネル大学で立ち上げた自身の研究室において進行中のE3ユビキチンリガーゼに関するプロジェクトをどのように発展させていくか、異なる分野とどう関連づけていくかを考察する絶好の機会となり、その側面からも大変有意義で楽しい経験となりました。

上記の研究機関の訪問に加え、街並みの散策などを通じて、ポーランドの文化や歴史に触れる機会にも恵まれました。訪問したレストランはどこも印象的な美味しさで、牛肉のタルタルやジャガイモのパンケーキなどのポーランド料理を堪能しました。

この訪問を通じて得られたご縁を大切にしながら、ポーランドをはじめとする欧州の研究コミュニティとの交流を一層深め、ともに研究を推し進める機会を広げていくことを楽しみにしております。

The International Institute of Molecular and Cell Biology (IIMCB) in Warsaw
The International Institute of Molecular and Cell Biology (IIMCB) in Warsaw
Maria Skłodowska-Curie Monument, Warsaw
Maria Skłodowska-Curie Monument, Warsaw
Befszyk Tatarski (Polish-style beef tartare)
Befszyk Tatarski (Polish-style beef tartare)

羽ばたく女性研究者賞への応募を考えている皆さんへ、メッセージをお願いします。

ポーランド訪問に加え、授賞式やパネルディスカッションを通じて、異分野ながらも同じ若手研究者として奮闘する女性研究者の方々と交流を深められたことは、受賞における大きな収穫の一つでした。受賞された門脇さん、森山さん、佐々本さんは、私の研究分野と完全に一致するわけではありませんが近い領域で活躍しており、彼女たちの受賞講演動画を通してそれぞれの研究テーマの魅力に触れ、多くを学ぶことができました。キャリアステージが近いことから、研究内容だけでなくキャリア形成においても共感できる部分が多く、今後もお互いに交流し続けられることを楽しみにしています。異なる分野の同世代研究者との繋がりは、研究だけでなくキャリア形成の様々な側面にわたって、刺激となり、サポートとなるはずです。これから羽ばたく女性研究者賞に応募される皆さんを心から応援しています。