レポート

第2回 ダイバーシティセミナー今、科学の発展に必要なこと
-ジェンダーが科学に及ぼすインパクト、そしてジェンダーサミット- 開催レポート 2015年9月1日開催

 9月1日(火)、ジェンダーサミットhttp://gender-summit.com/における中心人物であるDr Elizabeth Pollitzerの来日に合わせ、公開セミナーを行いました。

 英国の大学における女性研究者グループの発想から始まり、欧州委員会と共に2011年に立ち上げたジェンダーサミットは現在世界に展開中、今年は4月に南アフリカで、8月27、28日にアジアとして初めて韓国ソウルで開催され、11月にはドイツベルリンで開催が予定されています。今回のセミナーでは、このジェンダーサミットの経緯やミッションと今後の展開予定について、また、科学技術研究にジェンダーという視点を取り入れることの重要さについて具体的な事例を踏まえて解説いただきました。

科学技術研究におけるジェンダー問題を語る上で語られるLeaky Pipeline(上位職になるほど女性が少なくなる) や、ポスドク、ドクターの数の男女比をグラフで示しながら、依然として存在するジェンダーバイアスの存在を明らかにした結果を紹介いただきました。また、ワクチン接種をした際の免疫反応の違いや、交通事故の際に身体が受けるインパクトの違いなど、男女の生物学的な性差を把握した上で科学技術研究、製品開発を行い、全ての人に適した真のイノベーションを創出する事の必要性が述べられました。

Dr. Pollitzerは参加者に配慮してゆっくりと、聞き取りやすい英語でお話くださり、また参加者からもプレゼンテーションの最中から活発な質問が寄せられ、予定時間をオーバーするほど盛り上がりました。

「今、なぜ女性研究者の参画が必要なのか」を単なる「男女共同参画」「男女平等」といった視点ではなく、真に科学的な視点から取り上げた本セミナーは参加者にとっても大変満足度の高いものとなりました。開催後アンケートでも、講師について「非常に良い講師だった」が67%、「良い講師だった」が22%、また、内容については「期待以上」が22%「期待通り」が44%、そして「参考になった」が33%と(本記事作成9月3日時点回答率67%)、参加者の期待を裏切らないセミナーだったという反響が帰って来ています。

当日資料PDF
PDF画像当日資料(PDF)
Dr Elizabeth Pollitzer
Dr Elizabeth Pollitzer
セミナー風景
セミナー風景