サイエンスアゴラ2016 開幕・閉幕・キーノートセッション 開催報告

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  • キーノートセッション5
    芸術、科学、技術、クリエイティビティ

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English

開催概要

  • 日時:2016年11月5日(土)15:30-17:00
  • 会場:東京国際交流館 3階 国際交流会議場
  • 企画提供:駐日欧州連合代表部

詳細


  • 前半
  • 後半

登壇者

  • フィリップ・コドニェ フランス国立科学研究センター(CNRS)北アジア(日本・韓国・台湾)地域事務所 所長 ※モデレーター
  • ゲルフリート・ストッカー アルスエレクトロニカセンター ディレクター
  • 渋谷 慶一郎 ピアニスト/電子音楽アーティスト
  • 池上 高志 東京大学 大学院総合文化研究科 広域システム科学系 教授
  • ジェラルド・アサヤ フランス国立音響音楽研究所(IRCAM) 研究員
  • ビアトリス・デ・ゲルダー マーストリヒト大学 心理・神経科学部 教授

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企画の意図

芸術・科学・技術の関係性
本キーノートセッションでは、芸術と科学の両分野をまたいで活躍する専門家やアーティストの方々に、ヨーロッパと日本からお集まりいただき、近い将来、コンピューターやロボットの進化が、私たち人間の生活、なかでもクリエイティビティという面において、どのような影響や挑戦をもたらすのか、それぞれの視点からざっくばらんにトークを繰り広げていただきました。芸術、科学、技術、クリエイティビティの関係性、分野を超えた交流の仕方やあり方などについて、議論が交わされました。

当日のセッション内容

セッション風景
セッション風景


芸術と科学が産み出すシナジー

セッションは、モデレーターであるフランス国立科学研究センターの北アジア地域事務所所長のフィリップ・コドニェ氏によるトークから始まりました。「実は、芸術家は昔から作品作りに科学を多用してきました。この傾向は現代にももちろん受け継がれています。現代のアーティストたちはコンピューターを使ってイメージを作り上げ、新しい発想を練り、新たな領域を探求しているのです」
次に、メディアアートに関する世界的なイベントを主催するオーストリアのアルスエレクトロニカからディレクターのゲルフリート・ストッカー氏が登壇し、1979年よりスタートしたアルスエレクトロニカの活動について触れた後、「芸術的な視点を持つことで、より優れた新製品を開発することが可能になります。例えば、2016年にスタートした、芸術、科学、イノベーションのシナジーを称える欧州委員会のSTARTS賞で優勝したアーティストたちは、3Dプリント、レーザープリント、磁場を用いて、衣服をデザインしています」とコメントしました。


フィリップ・コドニェ 氏 ゲルフリート・ストッカー 氏
(左)フィリップ・コドニェ 氏  (右)ゲルフリート・ストッカー 氏


フランス国立音響音楽研究所(IRCAM) に所属するジェラルド・アサヤ氏からは、IRCAMがどのようにして科学者やエンジニアとミュージシャンを結びつけ、共同で音楽やサウンドの創作にあたるのかが紹介されました。また、人工知能(AI)が音楽を自動作曲する様子もデモンストレーションされました。
オランダのマーストリヒト大学から来日したビアトリス・デ・ゲルダー教授は、「私の専門は神経科学です。私たち人間と、ロボットの間の非言語コミュニケーション、なかでもバーチャルリアリティが脳に及ぼす影響について興味を持ち、研究をしています」とコメントがありました。


ジェラルド・アサヤ 氏 ビアトリス・デ・ゲルダー 教授
(左)ジェラルド・アサヤ 氏  (右)ビアトリス・デ・ゲルダー 教授


東京大学大学院総合文化研究科の池上高志教授は、芸術と科学の接点について、および現在、大学で進められているさまざまな研究実験について話した後、人工知能(AI)を搭載した「自発的、自律行動する、生き物のような」ロボットのデモンストレーションを行いました。
ピアニスト、電子音楽アーティストの渋谷慶一郎氏は、2012年の初演以来、世界各地で公演を続けているボーカロイドオペラ「THE END」の紹介と、ビデオ上映を行いました。


池上高志 教授 渋谷慶一郎 氏
(左)池上高志 教授  (右)渋谷慶一郎 氏


●まとめ

芸術と科学が結びつくことで、クリエイティビティが増幅される・・・
パネルディスカッションでは、芸術と科学のコラボレーションを通じて、どのようにクリエイティビティが促され、人間とコンピューターが互いに学び成長できるのか、議論が交わされました。
テクノロジーに触れ、インタラクトする(互いに働きかける)ことで、人間の脳はどのように変化、あるいは進化するのかという問いに対しては、初期の段階では、かなり高いレベルでクリエイティビティが触発されるものの、時間の経過と共にその影響は薄まるのではないかという意見が出ました。パネリストたちはクリエイティビティや専門知識に目を向け、アーティストたちには往々にして分野の枠やバリアを超えていく意思があるということに注目していました。


●感想

サイエンスアゴラは、日本国内における、科学コミュニケーション、アウトリーチに関する最大のイベントであり、欧州の優れた研究をハイライトし、日欧研究者による共同研究協力を紹介できる非常に有効な機会です。駐日欧州連合代表部として参加するのは本年が2回目となりますが、日欧から総勢40名を超える研究者やアーティストに参加していただくことができました。


文責:リー・ウルガー
(主催者/駐日欧州連合代表部 科学技術部 シニアICT政策オフィサー)

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