科学コミュニケーションについて知りたい

インタビューシリーズ「科学と社会の関係進化のために」

Vol.01
科学と社会の関係深化のために
研究はコミュニケートしてこそ成し遂げられる

アン・グローバー(Anne Glover)
アバディーン大学 教授(元EU主席科学顧問)

アン・グローバーさんは、英国・ケンブリッジ大学で分子微生物学科の博士課程を修了した後、研究者としてのキャリアを積み、スコットランド主席科学顧問(2006〜11年)、また欧州委員会の初代主席科学顧問(2012〜15年)を務め、科学と社会の関係を深めるために尽力してきました。今回、研究者が社会と関わる必要性についてお話いただきました。その中で特に大事なポイントをご紹介します。


研究者は本業である研究に専念するだけでも大変です。研究者が社会とつながる意義を、どう考えればよいのでしょう。

 私の大事な恩師が言ってくれたことが忘れられません。「研究はコミュニケートされなくては、完遂したことにならない」という言葉です。つまり、あなたが何をしているか伝えなければ、行わなかったのと同じになるということです。全ての科学者にとって必要なことです。

 私たちの生活は、朝起きてから眠りにつくまで、科学の影響を受け、便利さを享受しています。科学の可能性を知り、科学が私たちに何を提供しているかを知ることはとても重要です。このことが社会にきちんと伝わったならば、市民は研究を応援してくれるでしょう。でも、伝えなければ、巨額の公的資金を投じることを良いとは思わないでしょう。

 「科学と社会」の関係が適切に作れたならば、社会は科学に積極的に関わろうとするでしょうし、社会に何をもたらしてほしいかを、科学の側に投げかけてくれるでしょう。それは社会の全ての人にとって好ましいことですよね。

映像で見る

サイエンスアゴラ2015に来日したときのインタビューより。

アン・グローバー(Anne Glover)

アン・グローバー(Anne Glover)

英国・ケンブリッジ大学分子微生物学科博士課程修了。アバディーン大学にて研究者としてのキャリアを積む。2006〜11年スコットランド主席科学顧問、12〜15年欧州委員会主席科学顧問。現在、アバディーン大学Vice Principal for External Affairs、及びDean for Europe。