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研究者の社会における役割と可能性 ~海洋政策・水産政策、水政策プロセスについて~

日時

平成27年10月15日(木)14:30~16:30

場所

JST東京本部 住宅棟1階会議室

講師

遠藤 愛子(えんどう・あいこ)氏
総合地球環境学研究所 准教授
和田 正希(わだ・まさき)氏
太地町役場 総務課 副主査
西村 吉生(にしむら・よしお)氏
株式会社ズーイ ディレクター
(フジテレビ「みんなのニュース」担当)

講演要旨

今回の科学コミュニケーションセンターセミナーでは、研究者の社会における役割と可能性をテーマに、研究者、行政関係者、メディア関係者の3名の講師にご登壇いただいた。
第1部では遠藤氏がメンバーとして現在取り組まれている学際的・超学際的な活動の紹介について「社会と科学の共創」という観点で広くご紹介があり、続く第2部では「研究者とステークホルダーの協働」について、遠藤氏の専門領域である鯨肉の流通や漁村に関する研究で関わりがある和田氏、西村氏にご講演いただいた。
太地町の和田氏からは、町を捕鯨のみならず、鯨類資源を利用した学術研究都市とする目標を町民と共有・実現するために策定された「太地町くじらと自然公園のまちづくり構想」や「森浦湾鯨の海構想」についての紹介がなされた。西村氏からは番組制作のプロセスや、番組で関わる多様なステークホルダー、さらに国民にわかり易くニュースを伝える工夫について、実際に番組で使用されたイラスト入りボードの解説を交えて紹介がなされた。
最後の第3部では、遠藤氏から問題解決にむけたステークホルダーとの協働において課題となるギャップやそれを埋めるための媒介役、その中での研究者の役割について、第2部までの講演内容を踏まえた解説がなされた。
講演後の質疑応答の中では、遠藤氏から、問題解決に向けて学際的・超学際的アプローチが研究者にますます求められているものの、きちんとした評価軸がなく、実現が難しい。今後より複雑な問題解決に向けて、ステークホルダーと協働するための研究のみならず、実際の協働を通じてその体制を構築する必要性が述べられた。また太地町の和田氏からは、地域振興という大きな枠組みの中で、すでに県や学術機関を含めた町内外のステークホルダーが関与する事業を推し進めているが課題は残っている。今後さらに多様なステークホルダーとの協働体制を展開していく可能性が述べられた。西村氏からは、テレビ報道までの制作日数が短く、さらに放送時間も長くて10分から20分という時間的制約の中で、多様で複雑なテーマでも関係者の意見を調整しながら論点を絞る必要性や、研究者へのアクセスの改善といった意見が述べられた。