CSCについて

科学コミュニケーションセンターは、多様なステークホルダーによる対話・協働を促進し、科学と社会の関係を深化させることで、新たな価値の創造に貢献します。

センター長メッセージ

センター長に就いて

科学コミュニケーションセンターセンター長渡辺 美代子

科学コミュニケーションは、いったいなぜ今必要なのでしょうか。科学は時代と共に発展し、科学の恩恵を得ながら社会も同時に発展してきました。科学を担うのは科学者であり、その恩恵を受けるのは社会の人々とするならば、科学者は人々のために誠心誠意科学に邁進すべきであり、人々から信頼されるべきです。多くの科学の成果は社会に明るい便益をもたらして来ましたが、その一方で、核兵器等が社会に脅威ももたらしました。科学者が脅威となる暗い影を目指した訳では決してありませんが、結果的には科学者の責任も問われることとなります。

では、科学者は常に自分たちの成果を光と影に分けて責任を持つことができるのでしょうか。科学者が基礎研究から応用技術も、社会での使われ方もすべて把握し、制御できるのであれば、それは可能かもしれません。しかし、現代社会においてそれは不可能です。科学も社会も大きく発展した結果、多くの事象が複雑な関係にあり、個人あるいは特定の集団がすべてを把握し制御できるような単純な状況にはありません。特に、2011年3月11日に発生した東日本大震災においては、日本社会が混乱に陥りました。自然の驚異を前に、科学だけでは解決できないことを私たちは身をもって知ることとなりました。その結果、科学にも、科学者にも限界があるという当たり前のことを、私たちは改めて認識いたしました。科学だけでは解決できない社会の課題を、科学者が人々と協力しながら解決したい、そう願うのは自然のことです。今、私たちは科学と社会をより深く結びつけたいと考えています。

この問題を解決するには、2つの方法があるように思います。1つは、科学者が立場の異なる人々と対話し、相手の立場とその主張を理解し、自分の問題として捉えることです。自分が体験できないことを、他者から学んで自分の知識とし、共に新たな道を切り拓くことです。もう1つの方法は、自ら多くの体験をし、多様な立場で考えることができるようになることです。体験は、他者から得た知識より自分の中に深く根付きます。科学者が敢えて多くのことに挑戦してみる、他方、科学者でない人々が科学を体験してみることが大きな力となるでしょう。それが、他者との対話をより円滑にするのは間違いありません。

このような時代だからこそ、科学者が科学の世界だけに閉じこもることなく、多くの関係者と共に議論し、自ら多くの機会を捉えて体験してみる、そして多くの人々と共に新たな社会を創っていく必要があるのではないでしょうか。その時に重要なのが科学コミュニケーションです。科学を巡る様々な問題についてこのような対話をすることが科学コミュニケーションであり、その対話をもとに新たな価値ある社会を創造していけると信じています。科学コミュニケーションセンターは、科学と共に発展する社会を目指します。

平成27年4月
科学コミュニケーションセンターセンター長
渡辺 美代子

ビジョン・ミッション

科学コミュニケーションセンターのビジョン

科学コミュニケーションセンターは、多様なステークホルダーによる対話・協働を促進し、科学と社会の関係を深化させることで、新たな価値の創造に貢献します。

科学コミュニケーションセンターのミッション

科学コミュニケーションセンターは、あらゆるステークホルダー、とくに専門家コミュニティー(科学者、事業者及び行政)と市民の対話・協働・共創を実現し、社会の課題を解決します。

沿革

1996(平成8)年

日本科学技術情報センターと新技術事業団が合併し、科学技術振興事業団(JST)設立
JST発足時の設置法に「科学技術に関し、知識を普及し、並びに国民の関心及び理解を増進すること」が新たな業務の範囲として追加された。

科学技術理解増進室を創設し、科学技術理解増進事業を開始
1998(平成10)年

「JSTバーチャル科学館」配信開始

2000(平成12)年

科学技術理解増進部に移行
「サイエンスチャンネル」本放送開始

2001(平成13)年

日本科学未来館開館

2006(平成18)年

「サイエンスアゴラ」開始
「サイエンスポータル」配信開始

2007(平成19)年

「サイエンスウィンドウ」創刊

2009(平成21)年

科学技術理解増進部から科学ネットワーク部に改組

2012(平成24)年

科学コミュニケーションセンター設立

科学コミュニケーションの取り組みの方向性

私たちは東日本大震災を経験し、自然の驚異に対して科学だけでは解決できないことがたくさんあることを改めて知りました。科学だけではどうにもならない、しかし科学なしには始まらないことが多いのも事実です。今こそ、科学の楽しさを知るだけではなく、その光と影を正面から見つめ、社会との関係をより深く考え、科学とともにある安全で豊かな社会へとつなげることが必要と考えています。

組織図