さきがけ 研究者

研究課題名

埋もれた材料相界面研究のための極限的非線形顕微分光法の開発

プロフィール

二本柳 聡史
二本柳 聡史
Satoshi Nihonyanagi

1976年 札幌生まれ。2004年 北海道大学大学院 博士課程修了、博士(理学)。2004年 米国テンプル大学 博士研究員。2007年 理化学研究所 基礎科学特別研究員、理化学研究所 協力研究員などを経て、2012年より理化学研究所 研究員。
研究分野:界面化学、界面非線形分光
趣味:飲み会、旅行、ジョギング、ハイキング

  • ※プロフィールは、終了時点のものです。

研究内容紹介

エネルギー利用の飛躍的な高効率化実現のためには、材料相界面で起こる現象をその作動環境において分子レベルで理解することが必要です。例えば革新電池を開発するためには、まず候補となる材料の電池反応を理解することが必須となります。電池のような実用デバイスの界面は空間的に不均一な構造を有し、また未知の分子種も存在します。このような不規則・不均一な構造を有する界面について、表面がどのような官能基で覆われているか、その末端官能基が"溶液中で"どう配向しているか、またその溶媒和構造、といったその場分子構造情報を各ドメイン毎に取得することが本質的に重要です。そのためにはその電極と電解液との界面を自由に(試料を整形することなく)その場計測することが本来重要です。しかしながら、現在の材料界面の研究は主に原子レベルで構造が制御されたモデル界面を用いて行われています。これは単に"生"のデバイスの界面を観測できるような実験方法論が欠如しているからです。したがって、既存の方法論の限界を超えた新しい概念に基づく実用界面のための実験方法論を構築すれば、この分野の飛躍的な進歩が期待できます。
 本研究では、界面の分子情報を得るための非線形分光と不均一性を理解するための顕微鏡の特徴を併せ持つ、新しい非線形顕微分光法を開発します。具体的には界面選択的な非線形分光法である和周波発生分光法を基本として、この方法を固液界面に適用可能にし、かつ顕微検出する方法を新たに開発します。この方法を用いて、リチウム電池をはじめとする様々な材料界面における分子構造とその空間分布を明らかにすることで、材料設計に分子科学的な根拠を与えることを目指します。

ページの先頭へ