さきがけ 研究者

研究課題名

液晶半導体のメゾスコピック超構造を活用した有機電子デバイスの開発

プロフィール

安田 琢麿
安田 琢麿
Takuma Yasuda

1977年 愛知県生まれ。2005年 東京工業大学大学院博士課程修了、博士(工学)。2005年 東京大学理学系研究科 COE特任研究員。2006年 日本学術振興会 特別研究員(PD)。2008年 東京大学大学院工学系研究科 助教。2010年 九州大学大学院工学研究院応用化学部門 准教授。2014年 九州大学稲盛フロンティア研究センター 教授、現在に至る。
研究分野:機能性有機材料化学、有機光エレクトロニクス
趣味:スポーツ(野球・バレー・スキー)、ジム通い、食べ歩き

  • ※プロフィールは、終了時点のものです。

研究内容紹介

安田 琢麿

有機半導体材料をベースにした有機エレクトロニクス分野が飛躍的に発展し、さらなる高性能・高機能な次世代デバイスへの展開が期待されています。その主役となる有機半導体の潜在的な電子機能を最大限に発揮させるためには、分子の化学構造のデザインだけではなく、自己組織化によるボトムアップ型の構造形成を利用することにより、ナノレベルから巨視的なスケールに渡って集積構造・配向を制御していくことが求められます。そしてさらに、有機電子デバイス構築においては、有機半導体-電極・基板界面、および活性層中でグレイン間の微界面が必ず存在し、これらのインターフェイスの最適化が高機能・高効率化の鍵になると考えられます。
 液晶は、結晶固体と液体の中間の温度領域に発現する物質の特殊な存在状態であり、その名の通り、液体の動的特性と結晶の秩序性(分子配向性)を併せ持つ極めてユニークなソフトマターです。液晶の優れた自己組織化能を有機半導体の材料設計へ展開することにより、動的・異方的な機能を発現する新たな“液晶半導体”へと昇華させることができます。従来の二極化した結晶性およびアモルファス性固体材料とは異なり、液晶半導体材料ではナノメートル以下の微視的な分子構造と、巨視的スケールの配向構造が緊密かつダイナミックに結合することで、ユニークな物性や機能発現に繋がっています。しかし、これらの階層間に介在するメゾスコピック空間スケールにおける分子の集積構造・界面・配向挙動は未開拓であり、材料化学・物理の両面において多くの本質的な謎が隠されています。
 この研究プロジェクトでは、(1) ソフトマターとしての特性を有する革新的な新規液晶半導体を開発し、(2) ナノからマイクロメートルに至る階層間での分子集積・配向構造(メゾスコピック超構造)および相界面を能動的に制御・活用し、(3) エネルギー有効利用に資する高機能ソフトマターエレクトロニクスデバイスの創出を目指します。

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