さきがけ 研究者

研究課題名

高効率エネルギー変換に向けた革新的イオン機能界面設計

プロフィール

八代 圭司
八代 圭司
Keiji Yashiro

出生年月/出生地:1975年3月、神奈川
最終学歴:2000年 東北大学大学院工学研究科 機械知能工学専攻 博士前期課程修了
学位:2008年 博士(工学)(東北大学)
研究歴:2000年~2003年 固体酸化物形燃料電池の急速起動のための基礎技術開発、2002年~ 高温イオン導電体の物質輸送機構、2003年~ 固体イオン導電体における特異反応場形成の研究
専門分野:電気化学、固体化学
趣味:読書、美術館巡り

  • ※プロフィールは、終了時点のものです。

研究内容紹介

八代 圭司

燃料電池、高容量二次電池、水素透過膜、酸素富化膜、ガスセンサーなど、環境・エネルギー材料として期待されるイオン導電性酸化物の更なる高性能化を図ることで、燃料電池や水素分離膜などの高効率化、大幅なコストダウンが期待できます。本研究では、従来の置換固溶を基礎とした高性能化手法に代わり、高機能ヘテロ界面の設計などイオン界面エンジニアリングによる革新的な材料設計の基盤技術を確立することを目指します。
 これまで、固体酸化物形燃料電池(SOFC)の高性能空気極として知られているペロブスカイト型酸化物(La、Sr)CoO3系の電極反応について研究を行ってきた過程で、(La、Sr)CoO3および(La、Sr)2CoO4のヘテロ界面で、酸素の取り込み反応が大きく活性化されていることを二次イオン質量分析法(SIMS)により見出し、600℃という低温域においても、このヘテロ界面が酸素の高速取込パスとして働く高性能電極となることを明らかにしました。しかし、このヘテロ界面効果の原因についてはまだ未解明のままです。本研究では、燃料電池や水素透過膜等の材料を例に、イオン導電性酸化物の新たな材料設計法となりうるヘテロ界面効果の発現起源を明らかにし、ナノヘテロ界面デザインによる革新的環境・エネルギー材料の創製を目指します。目的達成のため2つの異なったアプローチを併用します。一つ目は、これまでの知見を活かし発現原因は不明ながら、既にヘテロ界面効果による性能向上が確認しているSOFC空気極材料系をモデルとして、革新的界面効果を増強させながら発現原因解明へと集学的なトップダウンアプローチ、2つ目は、我々の過去の研究により界面効果への関与が示唆される、応力およびひずみのイオン機能性への影響を探る手法、すなわち、応力・ひずみ誘起のヘテロ界面効果へのボトムアップアプローチです。これら2つのアプローチによりイオン機能界面を制御する新たな手法を確立し、革新的高機能イオン界面の創成を目指します。

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