CREST 研究チーム

研究課題名

相界面制御法による極低反射率の達成と結晶シリコン太陽電池の超高効率化

研究代表者 プロフィール

小林 光
小林 光
Hikaru Kobayashi

1984年 京都大学大学院理学研究科化学専攻 博士後期課程修了、理学博士。1984年~1986年 米国ペンシルバニア大学物理学科 博士研究員。1986年~1987年 松下電子工業京都研究所 研究員。1987年~1990年 大阪大学基礎工学部 助手。1990年~1998年 大阪大学基礎工学部 助教授。1998年~現在 大阪大学産業科学研究所 教授。
専門分野:半導体材料・プロセス、半導体物性
趣味:水泳、ジョギング、旅行、音楽鑑賞


研究メンバー

<研究代表者>
小林 光 (大阪大学 産業科学研究所 教授)

<主たる共同研究者>
井手 大介 ((株)新興製作所 統括部 部長)
肥後 徹  (日新化成(株)取締役・電子材料営業開発部長・テクニカルラボラトリー室長)

※所属・役職は、終了時点のものです。

研究内容紹介

結晶シリコン太陽電池は、市販太陽電池の85%以上を占める最も重要な太陽電池です。太陽電池の研究開発での最重要課題は、単なる高効率化ではなく、発電コストを低減できる技術の開発です。
 本プロジェクトでは、「相界面制御法」という新規技術を活用し、低コストの下で結晶シリコン太陽電池の超高効率化を行います。この技術では、過酸化水素とフッ化水素酸の水溶液に浸漬しているシリコンウェーハに白金触媒体を接触させるだけで、瞬間的に表面にシリコンナノクリスタル層が形成され、その結果反射率が2%以下に極低化します。シリコンナノクリスタル層は量子サイズ効果で拡大したバンドギャップを持ち、可視光領域のフォトルミネッセンスを発します。シリコンナノクリスタル層は大きな表面積を持ちますが、適当なパッシベーション処理を施すと高い少数キャリアーライフタイムが得られます。したがって、シリコンナノクリスタル層/結晶シリコン構造では、極低反射率による高い光電流と高い少数キャリアーライフタイムによる高い光起電力を同時に達成でき、太陽電池を超高効率化することができます。
 シリコンナノクリスタルやシリコンナノパーティクルからの発光の制御や、それらのリチウムイオン電池への応用を目指した研究も行います。

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