研究代表者・研究課題
平成20年度研究代表者・課題
先端超短パルス光源による光誘起相転移現象の素過程の解明
岩井 伸一郎
東北大学大学院理学研究科教授
研究室ホームページ
光電場の振動を数周期分しか含まない極短パルス光(可視~中赤外、テラヘルツ)を用いて、光と物質の相互作用の中でも、最も劇的で複雑な現象“光誘起相転移現象”の解明に挑みます。光が直接あるいは、相互作用を介してドライブする電荷、スピン、格子の素過程を明らかにし、さらに、強相関電子系物質の電子的性質を光で自由自在に変化させる方法への道を拓き、光でのみ可能な物質相の創成や光源開発の方向性を与える成果を目指します。
共同研究者
佐々木 孝彦 | 東北大学 | 金属材料研究所 | 教授 |
岸田 英夫 | 名古屋大学 | 大学院工学研究科 | 教授 |
高橋 聡 | 名古屋工業大学 | 大学院工学研究科 | 教授 |
妹尾 仁嗣 | 理化学研究所 | 古崎物性理論研究室 | 専任研究員 |
ベクトルビームの光科学とナノイメージング
佐藤 俊一
東北大学多元物質科学研究所教授
研究室ホームページ
ベクトルビームは、偏光、位相および強度分布を同時に、かつ精密に制御することで初めて形成される、全く新しい最先端レーザービームです。ベクトルビームの斬新で機能的な特徴が顕著に現れる、焦点付近での光の振舞いを系統的に探り、新しい光科学領域の開拓を目指します。さらに、材料科学・生命科学との融合研究を推進し、遠視野でのナノイメージングを可能とする、未踏の超解像光学顕微鏡法の開発を進めます。
高繰り返しコヒーレント軟X線光源の開発と光電子科学への新しい応用
辛 埴
東京大学物性研究所教授
研究室ホームページ
ファイバーレーザーの出現に伴い、従来のレーザーではほとんど不可能であった軟X線領域での物性研究が新しい主役になりつつあります。本研究では、レーザーと光電子科学の両者を結びつけた新しい光科学を目指します。特に究極のエネルギー分解、時間分解、空間分解を可能にする光電子科学の3つの分野を開拓し、世界最高の性能とそれらを組み合わせた新しい物性研究の開発を目標とします。
真空紫外・深紫外フィラメンテーション極短パルス光源による超高速光電子分光
鈴木 俊法
京都大学大学院理学研究科教授
研究室ホームページ
極短パルスによるフィラメンテーション非線形光学過程を利用して、深紫外、真空紫外域の高輝度極短パルスを発生させ、この新しい光源を利用した時間分解光電子イメージングによって、化学反応途上の分子内に起こる高速な電子状態変化を可視化します。光励起された分子のあらゆる電子状態変化を一挙に観測する革新的な実験を実現し、精密な量子化学計算とも連携しながら、生体分子を含む化学反応機構を明らかにします。
共同研究者
超狭線幅光源を駆使した量子操作・計測技術の開発
高橋 義朗
京都大学大学院理学研究科教授
研究室ホームページ
ヘルツおよびサブヘルツという極めて線幅の狭い超高安定な光源を開発し、光格子中のレーザー冷却された2電子系原子に適用します。これにより光磁気共鳴イメージングを駆使した単一光格子点の量子操作・検出技術やスピンスクイジング等を駆使した新量子計測技術を開発して、光格子量子コンピュータのプロトタイプの実現や飛躍的な光格子時計の精度向上へ応用展開することを目指します。
共同研究者
井戸 哲也 | 情報通信研究機構 | 電磁波計測研究所 | 主任研究員 |
江藤 和幸 | 日本航空電子工業株式会社 | 商品開発センター | UV技術シニアエキスパート |
山下 眞 | 日本電信電話株式会社 | NTT物性科学基礎研究所 | 主任研究員 |