2018年3月
(調査報告書)調査検討報告書 4次元生体組織リモデリング:“組織・臓器”の“適応・修復”のサイエンスと健康・医療技術シーズの創出~組織・臓器の宇宙を覗く~/CRDS-FY2017-RR-02
エグゼクティブサマリー

 調査検討報告書は、全身の様々な「組織・臓器」における「適応・修復」(リモデリング)現象の一連の経時変化プロセス(4次元)に着目し、わが国が世界トップレベルの強みを有する技術群、および多様な研究者集団(免疫~発生・再生~神経~代謝・循環・内分泌、モデル生物/非モデル生物~ヒトなど)による挑戦的研究シーズ群を以て生命・疾患の理解を深化させ、新たな学術潮流群の源泉を創成し、新たなコンセプトに基づく健康・医療技術の創出を加速させるための研究開発戦略を「4次元生体組織リモデリング」構想として取りまとめるものである。

【定義:4次元生体組織リモデリング】
 生体内外の多様な刺激によって構造的・機能的な損傷を受けた全身の様々な「組織・臓器」[※]が、損傷の拡大を抑え新たな生体環境へと「適応」すると同時に、ダイナミックな再構築を行なうことで構造的・機能的な損傷を「修復」する。それら細胞集団・分子群の複雑な相互作用を実態とし組織・臓器レベルで制御される一連の生命現象を「適応・修復」(リモデリング)とする。そして、分子~細胞~組織・臓器のマルチスケールな「適応・修復」(リモデリング)現象(=3 次元)について、特に経時変化の視点(=4次元)を重要視する。これら研究の方向性を「4次元生体組織リモデリング」と定義する。 [※]肝臓、腎臓、心臓、膵臓、腸管、胃、肺、脳・神経、骨・筋肉、感覚器、生殖器、四肢など

 「4次元生体組織リモデリング(組織・臓器・の適応・修復)」構想のポイントは以下目次各項目タイトルの通りであり、詳細は本文各項目をご参照頂きたい。

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エグゼクティブサマリー

第1章 背景
 1-1【社会ニーズ】:SDGs、国内外の健康・医療・介護ニーズ予測
 1-2【社会ニーズの大きい疾患群】:組織・臓器の構造・機能変性を伴う疾患
 1-3【社会ニーズの大きい疾患群に共通する生命現象】:組織・臓器の適応・修復(リモデリング)現象
 1-4【歴史的背景】:疾患の起源(形態・病理vs 分子・生理)

第2章「4次元生体組織リモデリング」構想
 2-1【定義】:「4次元生体組織リモデリング」の定義
 2-2【基本コンセプト】:「4次元生体組織リモデリング」研究の3つの視点
  視点1)『形態・病理学』:組織・臓器の“現場”
  視点2)『生体制御システム統合』:形態・病理(組織・臓器)マクロ視点からの本質的融合
  視点3)『時間軸』:経時変化プロセス(=4次元)
 2-3【実施する意義】:わが国の強み、適時性
  1)技術的ブレイクスルーの登場
   ① ヒトを含む組織・臓器研究の画期的な実験系の登場・成熟(オルガノイド技術)
   ② 膨大な細胞集団の動態解明を可能とする新技術の登場
    a)4D イメージング技術
    b)1 細胞RNA 技術/オミクス技術
    c)細胞系譜・機能解析技術
   ③“非”モデル生物の実験技術の登場、実験対象の拡大
  2)多様な視点から生命現象の本質に迫ろうとする『急がば廻れ』の多様な研究者集団の存在(伝統的強み)
   ① 生体制御システム分野の強固な枠組みを踏み越えた多様な研究者集団の存在
   ② 基盤的な生物(モデル/非モデル生物)からの原理究明を目指す多様な研究者集団の存在
    <コラム(1):ノーベル賞と伝統的な基礎モデル生物>
  3)全身の様々な「組織・臓器」で「生体制御システム統合」に挑戦する研究シーズ群の登場
   ① 新たな基盤原理、病態原理の発見
   ② 病態原理の理解に基づく「リモデリング医薬」の開発
 2-4【関連施策動向】:国内の関連施策との位置づけ
    <コラム(2):科研費「新学術領域」、JST/AMED「CREST」などの変遷と分野分類イメージ>
 2-5【具体的な研究開発テーマ】
  1)『技術』:革新的技術の開発、展開
   ① ヒト生命科学・医科学を加速させるモデル系の開発(ヒトオルガノイドなど)
   ② 細胞集団の動態解明技術の開発(4D イメージング技術、1 細胞RNA 技術/オミクス技術、細胞系譜・機能解析技術など)
   ③“非”モデル生物(特に高再生能生物)に対する最先端技術の開発、実験基盤の構築
  2)『生命科学』:基盤原理の解明、新たな学術潮流の創成
   ① 組織・臓器を構成する多様な細胞集団・分子群の時空間動態と適応・修復(リモデリング)プロセスの理解
   ② 組織・臓器の詳細な解析、組織臓器横断的な解析による適応・修復(リモデリング)プロセスの全身統合的な理解
   ③ モデル/非モデル生物を活用した適応・修復(リモデリング)プロセスの新たな基盤原理 の発見
  3)『医科学/臨床開発』:病態原理の解明と健康・医療技術シーズの創出・臨床開発
   ① ヒト組織・臓器の適応・修復(リモデリング)プロセス破綻と病態原理の解明
   ② 病態原理の理解に基づく予測・診断技術の開発
   ③ 病態原理の理解に基づく予防・治療技術の開発
 2-6【推進体制など】
  1)戦略的な研究開発の支援(研究開発投資・統合加速、産学連携加速)
  2)ヒト生命科学・医科学の加速
  3)コアファシリティ/人材/技術基盤の整備
 2-7【波及効果】
  1)産業インパクト
  2)医療インパクト
  3)学術インパクト

第3章 2017 年11 月21 日「4次元生体リモデリング」戦略検討ワークショップ概要
 (省略)

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