2016年6月
(調査報告書)我が国における拠点形成事業の展開 ~課題と展望~/CRDS-FY2016-RR-01
エグゼクティブサマリー

 我が国では最近15年ほどの間、大学等における卓越した教育研究拠点の形成を目的とした事業が相次いで実施されてきた。その主なものとしては、21世紀COEプログラム(2002-2008年)、グローバルCOEプログラム(2007-2013年)、世界トップレベル研究拠点形成プログラム(WPI、2007年-)、先端融合領域イノベーション創出拠点形成プログラム(2006年-)、博士課程教育リーディングプログラム(2011年-)などが挙げられる。

 これらの拠点形成事業は、創造的な研究成果の産出、新たな専攻の創設を含む教育研究体制の高度化、イノベーションの創出などの形で、その政策目的を達成してきた。加えて、拠点が所属する組織全体の制度改革への波及や、累次の資金獲得による固有の強みの形成など、さらに幅広い効果をもたらしたケースもある。一方で、これらの拠点形成事業については、事業間の連携が十分図られていない、事業期間終了後の拠点存続が困難な場合がある等の問題点も指摘されてきた。このようなことに鑑みれば、拠点形成事業のあり方に関し総合的な観点からあらためて検討を行うことは、政策上の重要な意義をもつと考えられる。

 我が国では、2016年度より第5期科学技術基本計画期間と第3期国立大学法人中期目標期間が同時にスタートし、大学及び国立研究開発法人をめぐる環境変化は一層加速している。今後も各種の拠点形成事業が推進されていくことが予想されるが、その際にはこれまで実施されてきた数々の拠点形成事業の経験を踏まえた形で今後の制度設計がなされることが重要と考えられる。それにより、今後の拠点形成事業の総合的な効果を最大化し、その問題点を克服することが可能になると考えられるためである。

 本報告書は、これまで我が国で行われてきた拠点形成事業に関して、当センターが2015年度より実施してきた調査の結果をまとめたものである。この調査においては、関連機関にご協力頂きつつ、個別の拠点形成事業や、それらの事業において採択された各拠点に関するデータを収集し、我が国の拠点形成事業の全体像について俯瞰的に検討してきた。その過程では、各拠点に対する大規模なアンケート調査も実施し、拠点運営の特徴等についての体系的な把握も試みた。本報告書が、今後の拠点形成事業に関わる政策方針の検討やその具体的な制度設計を行ううえでの基礎資料として活用されることを期待したい。

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