2009年3月
(調査報告書)科学技術による地球規模問題の解決策に向けて 調査報告書 ~グローバル・イノベーション・エコシステムとアジア研究圏~/CRDS-FY2008-RR-02
エグゼクティブサマリー

 社会経済のグローバル化が進む中、一国や一地域だけで取り組むことが困難であり、国際社会が共同で取り組むべきことが求められる問題が顕在化している。このような地球規模問題の解決に向けて、科学技術の貢献に対する期待が高まっている。
本調査は、科学技術振興機構(JST)研究開発戦略センター(CRDS)が掲げる科学技術が充足すべき3つの社会ニーズ ー「生活の質の向上」、「産業競争力の強化」、「地球規模問題の解決」ー のうち、「地球規模問題の解決」に焦点を当て、科学技術による地球規模問題の解決策の検討を試みた。
その結果、以下の3段階で解決策を検討できることが示された。
   (1) 地球規模問題に含まれる具体的問題の構造化
   (2) 地球規模問題に対する科学技術による解決策と研究開発ニーズの例示
   (3) 地球規模問題の解決に資する技術群の例示
 検討した解決策を実際に実行し、地球規模問題を科学技術によって解決するためには、グローバル・イノベーション・システム(GIES:Global Innovation Ecosystem)の確立が不可欠である。科学技術の知識を基盤として、人材・制度・資金を公的部門と民間部門がそれぞれうまく活用し、民間部門が主導する経済的価値と公的部門が主導する社会的価値を両立した、新たな経済社会的価値を創造しなければならない。このような活動を活性化する国際協力の枠組みを設計し、地球規模問題の解決と経済成長を両立した持続可能な発展を実現すべきである。アジアにおいては、環境と経済が両立した持続的発展のための活動の推進が必須となっている。これを具体化するため、Asian Research Area(ARA:アジア研究圏)を設立し持続的に支援する仕組みの構築について検討する時期に来ている。アジアが共有する問題解決のために、ARAを基盤として、特に若い世代の優れた人材を結集し育成するとともに、必要な科学的知識を開発することが重要である。

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