2011年11月
(国際比較調査)G-TeC報告書「世界の宇宙技術力比較」(PDF形式、727 KB)/CRDS-FY2011-CR-02
エグゼクティブサマリー

 本書は、先端科学技術分野の一つとして脚光を浴びている宇宙技術について、先進各国・地域の技術力の比較を行ったものである。同種の試みとしては、科学技術振興機構(JST)の中国総合研究センター(CRC)が、2010年に中国の科学技術力の調査と並行して、米国、欧州、ロシア、日本、インド及びカナダを含めた合計7カ国・地域の宇宙技術力比較を実施している。その結果は、米国が1位、欧州とロシアが2位・3位グループ、日本と中国が4位・5位グループ、インドとカナダが6位・7位グループとなっている。今回は、この中国総合研究センターでの調査結果を基にして、宇宙技術力を宇宙輸送分野、宇宙利用分野、宇宙科学分野及び有人宇宙活動分野の四分野に分けて評価した。具体的には、次のとおりである。
・宇宙輸送分野:スペースシャトルの退役、中国の打上げ数の目覚ましい増加などを踏まえ、ロケットやエンジンの性能面からも技術力を分析した。
・宇宙利用分野:衛星バス技術・衛星通信放送技術・地球観測技術・航行測位技術についてそれぞれいくつかの観点から分析を行った。
・宇宙科学分野:前回は探査機の数など工学的な見地からの評価が中心であったが、今回は主要な会議での論文発表数や各国の代表的な雑誌のインパクトファクターの比較など理学的な観点からの評価を追加した。
・有人宇宙活動分野:有人宇宙船技術や有人活動支援技術を中心に技術力の評価を行った。
 今回の結果は、前回と比べて全体としてそれほど大きく変化していない。ただ、前回若干の差のあった欧州とロシアは、ロシアの新機種衛星の打上げなどでロシアの技術力がより高く評価された結果、欧州とロシアは同点となっている。また、宇宙科学分野の評価が理学的な観点から詳細化されたため、日本と中国の科学技術力の距離が若干広がる結果となった。なお今回の比較調査は、2011年8月末までの各国・地域の宇宙開発動向をベースにして取りまとめており、その後も各国・地域において活発に宇宙活動が進められると想定されるため、今後とも適当なタイミングで見直していくことが重要と考えられる。

PDFダウンロード

関連報告書