2018年10月
(戦略プロポーザル)自然科学と人文・社会科学との連携を具体化するために-連携方策と先行事例-/CRDS-FY2018-SP-01
エグゼクティブサマリー

 自然科学と人文・社会科学の連携の必要性に対する認識が、科学技術イノベーション政策の関係者の間で高まっている。この背景には、複雑化しグローバル化した社会的・経済的課題への対応には、人文・社会科学を含む複数の分野・領域の知見の統合的活用が必要であるという認識がある。しかし、連携の必要性は、基本政策の考え方として科学技術基本計画等に総論的に示されるに留まっており、連携を具体化するための支援策が十分には検討されていない。そこで研究開発戦略センター(CRDS)では、自然科学と人文・社会科学の連携を俯瞰的にとらえた枠組みを提示した上で、両者の連携を効果的にすすめるための方策(連携方策)を検討した。

 本プロポーザルで提案する連携方策は、次の6項目である。
  提案① 連携をめぐる課題等を共有し、提案②~⑥の実施に活かす
  提案② 場づくりやネットワーキングの活動を広げ、定着させる
  提案③ 社会的課題の探索・設定や社会ビジョン描出の活動を広げ、定着させる
  提案④ 連携が必要とされる研究開発活動を支援する
  提案⑤ 研究成果の実装を視野に入れた取り組みの円滑化をはかる
  提案⑥ 連携のための基盤として、組織と個人の力を高める

 これらの提案の担い手(実施主体)とその主な所属機関(カッコ内)は、以下の通りである。

  •  ● 基本政策・施策の策定者(行政機関等)
  •  ● 制度・事業等の推進者
  • 研究開発プログラムの設計・運営等の担当者(行政/資金配分機関等)
  • 研究開発プログラムの運営管理者(資金配分機関、大学/公的機関/民間企業等)
  • 組織運営・研究マネジメント等の担当者 (大学/公的機関/民間企業等)
  •  ● 研究者・実務的専門家(大学/公的機関/民間企業等)

 提案①~⑥は、連携の目的や担い手の所属機関の状況等に応じて必要なものが選択され、柔軟に運用されることを想定している。これを通じて、短期的・中期的には、国内外の諸課題への対応など、主として社会的要請に応えるために両者が連携した事例が積み上げられていくことを目指す。また、長期的には、持続可能な社会の実現につなげるとともに、自然科学と人文・社会科学の分断を乗り越え、専門分化した諸科学の総合性を取り戻すことを目指す。

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