2016年3月
(戦略プロポーザル)IoTが開く超スマート社会のデザイン ― REALITY 2.0 ―/CRDS-FY2015-SP-02
エグゼクティブサマリー

 情報科学技術の進展は目覚ましく、その高度化と社会への普及はいっそう進んでいる。データ処理技術や通信技術の進展とともに、ネットワークに接続される機器は増大し、その数は2020年には500億端末に上り、2025年にはインターネットに接続する人口は55億人に達するとの予測がされている。こうした変化は、産業構造の変化を引き起こし、あるいは個人の生活や社会のあり方にも影響を与え始めている。
 これまで、現実世界(実体社会)は、あくまで物理世界であり、サイバー世界は物理世界に情報をもたらすコンピューター群であった。ところが、近年のIoT(Internet of Things)やCPS(Cyber Physical Systems)、ビッグデータ等をはじめとした情報科学技術の進展・普及に伴い、個人やビジネス、社会活動において、サイバー世界が物理世界と一体となって切り離せないものになりつつある。この動きが進展していくことで、近い将来、物理世界とサイバー世界が一体化した世界ができるであろう。CRDSではこの世界を『REALITY2.0』と呼んでいる1)。
 本プロポーザルでは、REALITY2.0におけるサービスプラットフォームの構築とそれを基礎とした先進的サービスの構築に向けて必要となる技術に焦点を絞り、取組むべき研究開発を提案する。

I. サービスプラットフォームの共通基盤技術
REALITY2.0におけるサービスプラットフォームの構築から実体定義レンズを介してサービスシステムを構築するまでの、技術である。具体的な技術課題としては、社会に分散して存在する機能(モノ、ヒト、コンピューター資源等)をサービスプラットフォームに取り込むため、機能単位でコンポーネント化するための技術や、サービスプラットフォームから必要な機能を呼び出すための実体定義レンズの生成に必要となる要求獲得と要件化技術、呼び出された機能でサービスシステムを構築するためのコンポーネント統合化技術、さらに、サービスシステムを運用するための技術の研究が必要となる。

II. 各応用分野のサービスの先進化に向けた技術
サービスプラットフォーム共通基盤から、構築されるサービスの先進化に必要となる技術を対象とする。本提案においては、技術の適応領域として、①人流・物流、②ヘルスケア・介護、③防災・減災の3つのドメインについてケーススタディを行い、その結果、以下の研究開発項目が抽出された。
(1)社会資源の情報を集約利活用するための技術
(2)異種混合データ融合・統合技術
(3)ヒトやモノの間で情報をリアルタイムかつ大規模にやりとりするIoT技術
(4)エッジコンピューティング技術

情報科学技術の進展、社会への普及・拡大が進み、物理世界とサイバー世界の融合一体化は着実に進みつつある。その結果として、必然的に、REALITY2.0という世界が訪れるものと考えられる。そのため、世界に先駆けてREALITY2.0に向けた研究開発に着手していくことが重要である。

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