2007年10月
(戦略プロポーザル)元素戦略/CRDS-FY2007-SP-04
エグゼクティブサマリー

「元素戦略」とは、「元素」に焦点を当て「サイエンス」に基づいた、新たな物質材料科学の基盤を構築する戦略であり、次の4戦略によって構成される。
(1)希少元素・有害元素の使用量を極限まで低減する「減量戦略」。
(2)特定の元素に依存することなく、豊富で無害な元素により目的機能を代替する「代替戦略」。
(3)希少元素の循環利用や再生を推進する「循環戦略」。
(4)これらの減量・代替・循環を駆使して、規制という高いハードルを乗り越えることでイノベーションを目指す「規制戦略」。
上記戦略のもとに行われる研究開発において、元素の持つ機能を深く理解し利用することにより、種々の元素がこれまでにない機能を発揮する新材料を創成し、特定の元素に依存することなく、各種材料が様々な機能を実現することを目的とする。本戦略は、資源を持たない我が国の基本戦略として有効であると同時に、新材料・新機能の設計や探索に関する研究開発の中核もなす。

「資源戦略」といった場合、資源の囲い込みによる問題解決を連想する。しかし本戦略は、我が国が世界に誇る材料科学技術によって、地球規模の資源・環境問題に対して、有効な解決策を与えようとする我が国発の技術戦略である。これらを推進し達成するためには、府省連携や民間企業の参画等、大きな枠組みでの推進が望まれる。

「元素戦略」における研究開発には、これまでの試行錯誤的なアプローチから脱却して、新しい材料を合理的に設計・探索する方法が必要である。それを実現するために、材料設計の基礎となる元素の特性に立脚した科学的知見の上で、最先端のナノテクノロジーの知見、計算科学やマテリアルインフォマティクス、超高速探索法(ハイスループットテクノロジー、コンビナトリアルテクノロジー等)等の推進も有用であり、新しい物質・材料研究の方策を提供すると考えられる。

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